おやぢの部屋2
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BACH/Messe en si mineur
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Céline Scheen, Yetzabel Arias Fernández(Sop)
Pascal Bertin(CT),
櫻田亮(Ten), Stephan MacLeod(Bas)
Jordi Savall/
La Capella Reial de Catalunya
Le Concert des Nations
ALIA VOX/AVDVD 9896(hybrid SACD, DVD/PAL)




この分厚いアルバムには、フランス南西部、スペインとの国境にも近い都市ナルボンヌの近郊にあるフォンフロワド修道院で、2011年7月19日に行われたバッハの「ロ短調」のコンサートがSACDでは2枚、DVDでは1枚にまるまる収録されています。もちろん内容は全く同じです。そのほかに、リハーサルの模様を収めたDVDがさらに1枚付いています。さらに、ブックレット本文は演奏家の写真がぜいたくに使われている90ページの超豪華版。
ただ、そのDVDが日本国内のプレーヤーでは再生できないはずの「PAL」というヨーロッパの規格なのが気になります。まあ、最初からSACDだけが欲しくて買った人ならいいのでしょうが、せっかくあるものが見られないというのは残念です。と思って一応PCに入れてみたら、難なく再生できましたよ。どうやらPCNTSCだけでなく、きちんとPALにも対応しているのですね。さらに、BDオーディオ再生用に買ったDENONのユニバーサル・プレーヤーもPAL対応であることが分かり、こちらで全曲を再生することにします。
生まれて初めてPALDVDを見ることが出来ましたが、画質がNTSCよりはるかに美しいのには驚きました。これだったらBDと比べても遜色がないほどです。BDが出来てから、DVDの画質があまりにも貧しいのに気づかされてほとんど手を出すことはなくなりましたが、PALだったらそんなことはなかったのですね。
音もSACD並みとはいきませんが、充分に満足のいくものでした。石造りの会場の豊かな残響が、けっしてモワモワせずに豊かな音色となって響き渡っていますし、バロック・ヴァイオリンの繊細な肌触りも、きっちりと感じることが出来ます。もちろん、ソリストも、そして合唱も、存分に存在感のある音となって伝わってきました。
ここでサヴァールは、会場のレイアウトを考慮してか、とても面白い配置で演奏しています。なんと、バロック・トランペットが3本、合唱の真後ろの一番高いところに陣取っているのですね。これは視覚的にもものすごくカッコいい絵になっています。さらにその隣には豊かなひげをたたえたティンパニ奏者が、まるでアレステッド・ディベロップメントのババ・オージェ(分かりますか?)のようなオーラを放っているのですからね。これだけ目立てば、「Gloria」などはいやが上にも盛り上がります。
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合唱の配置もちょっと変わっていて、ソプラノIとソプラノIIがきっちり左右の端に分かれています。これで、5声部の時のポリフォニーの綾がよりはっきりしてきますし、「Hosanna」で二重合唱になっても、そのままの位置で効果を出せますからね。
合唱の人数は、それぞれのパートが5人ほど、ソリストたちも中に入って歌っています。特徴的なのは、合唱の一部で全員が歌うのではなく、1パート1人から2人の「ソリ」で歌われていることです。「Credo」の中で合唱が続くところなどは、それぞれに編成を変えて、曲のキャラクターを立体的に特徴づけています。具体的には、ベーレンライター新版の10曲目(サヴァールは旧版を使っていましたが)「Credo in unum Deum」はダブル・クィンテット、次の「Patrem omnipotentem」はトゥッティ、13曲目の「Et incarnatus est」はクィンテット、続く「Crucifixus」と「Et resurrexit」はトゥッティ、17aの「Confiteor」はクィンテット、17bの「Et expecto」はトゥッティといった感じです。
そういえば、7aの「Domine Deus」ではトラヴェルソは2本ユニゾンで使われていましたね(ブックレットではマルク・アンタイ1人の名前だけですが、DVDの演奏時間が「2時間35分」となっているのと同じで、これも間違い。ミスプリントに関しては丸く安泰とはいきません)。これは7bの「Qui tollis」で2本になることとの関連性を持たせたのでしょう。
そんな、数々の配慮と、もちろん演奏者全員の熱い思いによって、ここからはとてもドラマティックな「ロ短調」が姿を現しました。それは、真に心を揺さぶる音楽となって迫ってきます。

SACD/DVD Artwork © Alia Vox
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by jurassic_oyaji | 2013-03-04 20:16 | 合唱 | Comments(4)
Commented by ななしのごんべい at 2013-03-05 01:16 x
この演奏は気になっていたのですが、なかなか良さそうですね。
Commented by jurassic_oyaji at 2013-03-05 08:15
ななしさん、いつもどうも。
演奏のことに詳しく触れませんでしたが、声楽もオーケストラもすごいですよ。コルノ・ダ・カッチャなどは完璧です。
Commented by ななしのごんべい at 2013-06-10 23:09 x
5月初めに HMVに注文しましたがずっと在庫がなくて、ようやく数日前に配達されました。
まだ一回しか聴いていませんが、なかなか良いですね。愛聴盤のガーディナー盤の合唱が時に冷たく感じられるのに対し、もっと暖かい印象を受けます。SACDの録音のせいなのかもしれませんが。
Commented by jurassic_oyaji at 2013-06-11 00:01
ななしさん。
おっしゃる通りですね。