おやぢの部屋2
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BACH/St. John Passion
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Janette Köhn(Sop), Mikael Bellini(CT)
Mikael Stenbaek(Ten), Håkan Ekenäs(Bas)
Gary Graden/
S:t Jacobs Kammarkör
REbaroque(CM:Maria Lindal)
PROPRIUS/PRCD 2065




またまた「ヨハネ」です。「もうよさね?」なんて言わないでください。なんたって今は「聖週間」ですからね。
この曲のタイトルは、もちろん福音書のタイトルでもあるわけで、それは聖人ヨハネのことです。ラテン語では「Joannes」、ドイツ語では「Johannes」と堅苦しいものが、英語になると「John」ですから、急に親しみがわいてきます。これがイタリア語だと「Giovannni」ですから、なんだか女好きみたいな気がしますね。フランス語は「Jean」、スペイン語は「Juan」ですから「ホワン」と発音します。だから、「聖ヨハネ」は「サン・ホワン(San Juan)」、宮城県に住む人にとっては、ちょうど400年前にメキシコに向けて出港した「サン・ホワン・バウティスタ」という船の名前が思い浮かぶことでしょう。
スウェーデン語でも、「ヨハネ」は「Johannes」のようですね。このCDは、ストックホルムにある聖ヤコブ教会で毎年この時期に行われているヨハネ受難曲の演奏会を、2011年にライブ録音したものです。なんでも、この教会のこの年中行事は、1945年からもう70年近くも続いているそうなのです。その時の教会のカントルは、あの有名なテノールの、セット・スヴァンホルム、そして、1949年に新しくカントルに就任したのが、先日お亡くなりになった「合唱の神様」エリック・エリクソンでした。ただ、彼の場合は非常に多忙なスケジュールだったため、25年間の任期の中で「ヨハネ」を演奏出来たのは17回だけだったそうです。
1974年からは、ステファン・ショルドがエリクソンを引き継ぎます。彼は、ドロットニングホルム・バロック・アンサンブルと共演、そして、1990年からは、ここで演奏しているゲーリー・グラーデンがカントルに就任、聖ヤコブ教会室内合唱団と一緒に演奏することになりました。最近は、やはりこの録音で聴くことのできるリバロック・アンサンブルが伴奏を担当しています。
グラーデンと聖ヤコブ教会室内合唱団と言えば、1992年に録音されたデュリュフレの「レクイエム」で素晴らしい演奏を聴かせてくれるチームとして心に残っています。北欧ならではのクリアな響きと、確かな音楽性に打ちのめされたような記憶がありました。今回、ブックレットにある指揮者の写真を比べてみたら、その当時とはまるで別人のように容姿が変わっていたのには驚いてしまいました。以前はお茶の水博士みたいなヘアスタイルだったものが、サンプラザ中野みたいな完璧なスキンヘッドになっているのですからね。
合唱団のサウンドも、デュリュフレの時よりはだいぶ変わっているようでした。まあ、曲がバッハですからなんとも言えないのですが、この合唱団の持ち味だったピュアな響きが、あまり感じられないのですね。コラールあたりでは、きちんとそんな音楽にして欲しいのに、何か物足りなさが残ります。
そうなってしまったのには、共演しているアンサンブルとの兼ね合いもあるのでしょう。マリア・リンダルがコンサート・マスターを務めるこのバンドは、変な言い方ですがかなり「現代的」なアプローチを心がけているようです。通奏低音にリュートやファゴットが入っているのですが、それがとても積極的にアンサンブルに参加してきます。リュートなどは、まるでロックバンドみたいなノリで、バリバリとリズムを刻んできますし、ファゴットによって強調された低音のラインは、この曲から一度も聴いたことのないような音色を引き出していますよ。
なんと言ってもすごいのが、最後から2番目の合唱「Ruht wohl, ihr heiligen Gebeine」の最後、普通はきちんとハ短調の和音で終わるはずなのに、ヴァイオリンが「シ~ド」と、まるで「マタイ」の最後のように一旦不協和音を作っているのですよ。そうそう、第2部が始まる時には、先日のバット盤みたいにオルガンの演奏がありましたし。
こんなことをやられては、合唱の影が薄くなってしまっても仕方がありません。

CD Artwork © Proprius
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by jurassic_oyaji | 2013-03-28 21:29 | 合唱 | Comments(0)