おやぢの部屋2
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HOLMBOE/Concertos
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Erik Heide(Vn)
Lars Anders Tomter(Va)
Dima Slobodeniouk/
Norrköping Symphony Orchestra
DACAPO/6.220599(hybrid SACD)




録音が素晴らしいのが気に入っているデンマークのDACAPOというレーベルは、CDのジャケットのアートワークもとても素晴らしいものが揃っています。今回のSACDも、ほとんどそんな「ジャケ買い」状態、以前聴いたこんなアルバムとよく似た感じだったので、やはり音が素晴らしかったそのノアゴーと同じように期待できる内容に違いない、と、確信してしまいました。そんな風に、レーベルのサウンドのイメージが、ジャケットとのつながりで連想されるというのは、非常に幸福なレーベルなのではないでしょうか。
手元にあったこのレーベルのCDを調べてみたら、それらはほとんど同じ人がグラフィック担当としてクレジットされていました(フィッシャーのモーツァルト全集は別の人でした)。Denise Burtというその女性は、デンマークで活躍していますが、ニュージーランド出身だそうですから、これは普通に「デニース・バート」と発音していいのでしょうね。
そして、録音エンジニアも、ノアゴーと同じプレベン・イワンでした。ですから、録音フォーマットはやはりDXDベースということになります。これは期待できますよ。
このアルバムで取り上げられているのは、デンマークの作曲家ヴァウン・ホルンボー(1909-1996)の協奏曲が3曲です。独奏楽器はヴァイオリンとヴィオラ、そして「オーケストラのための協奏曲」です。この3曲は、すべてこれが世界初録音となりますし、「オケコン」にいたってはなんとこれが「世界初演」、つまりまだ聴衆を前にしての「生」の演奏すら行われていないものが、ここで聴けるのですね。ヴァイオリン協奏曲も、ここでは「第2番」が聴けるのですが、実は「1番」の方はまだ初演が行われていないのだそうです。そのあたりの事情はライナーノーツによると「ホルンボーの作風はあまりにも多岐に渡っているため、全てを一言で語ることは難しく、時として、その作品が不当に見過ごされてしまっていることもある」からなのだそうです。確かに、このアルバムの3曲を聴いただけでも、その作風の多様さは十分にうかがえたよう
まず、最初のヴィオラ協奏曲を聴きはじめたら、そのあまりの音のインパクトに、普通聴いているボリュームをあわてて下げてしまったほどでした。金管楽器の彷徨と打楽器の強打によるそのオープニングは、まさにこのSACDがとてつもない音で録音されていることを瞬時に知らしめるものでした。この、気合の入ったサウンドを味わうだけでも、このアルバムの価値があるぐらいです。
そんな華々しいオーケストラに導かれて入ってくるヴィオラのソロが、また生々しいこと。それこそ、「松ヤニの飛び散る」ような迫力には驚かされます。ヴィオラって、こんなに芯のある音が出る楽器だったことに、改めて気づかされます。こんなエネルギッシュな作品が再晩年、1992年のものだったというのも、とても信じがたいことです。
「オケコン」は、ほんの13分程度の、ほとんど「序曲」といった感じの作品でした。こちらは本当に若いころの1929年に作られていて、バルトークのような名人芸を聴かせるというような大層なものではなく、もっと繊細な音色の変化を楽しめるような仕上がりになっています。このあたりも、弦楽器や木管楽器のテクスチュアが存分に味わえる素晴らしい録音です。
ヴァイオリン協奏曲は1979年の作品、この曲が、アルバムの中では最も複雑な作風が感じられます。それは、まるでシベリウスのような、ちょっととらえどころのないものです。ソロのヴァイオリンにも、華やかな技巧ではなく、もっとしっとりとした情感を託されているようです。そんな深みのあるヴァイオリンのサウンドが、とても印象的です。
やはり、今回もジャケットを裏切らない素晴らしいアルバムでした。もちろん、それはSACDを聴いて初めてわかること、CDレイヤーからはヴィオラの「松ヤニ」は決して飛んでは来ません。

SACD Artwork © Dacapo Records
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by jurassic_oyaji | 2013-05-13 20:48 | オーケストラ | Comments(0)