おやぢの部屋2
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MENDELSSOHN, A./Choral Works
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Frieder Bernius/
SWR Volkalensemble Stuttgart
HÄNSSLER/SACD93.293(hybrid SACD)




メンデルスゾーンの無伴奏合唱曲を集めたアルバムですが、有名な「おお、ひばり」などは入っていません、なんてね。実は、「メンデルスゾーン」とは言っても、あのフェリックスではなく、アルノルト・メンデルスゾーンという人の作品集なのでした。もちろん、そんな珍しい名前ですからフェリックスに関係がないわけではなく、ご想像通りの同じ一族のメンバーです。正確には、フェリックスの父親の弟(叔父さん)の孫ですから、いとこの子供、こういうのはなんというのでしょう。少なくとも、代理店のインフォに登場する「はとこ」でないとこだけは確かです。
常々思うのですが、音楽家の名前というのは、なんと特徴的なことでしょう。つまり、現在普通に見られる名前で、有名な作曲家と同じ名前の人は異常に少ないのでは、と思うのですが、どうでしょう。メンデルスゾーンさんも、だいぶ前にウラジーミル・メンデルスゾーンというヴィオラ奏者を見かけたら、やはりその方はこの一族の子孫でしたしね。あとは、「ブラームス」さんも珍しいのでは。映画監督でヘルマ・サンダース=ブラームスという人がいますが、この人だってやはりあの「ブラームス」の子孫なのだそうです。「モーツァルト」なんて名乗る人がいたら、絶対に関係者だと思ってしまいますしね。
日本人でも、作曲家にしかいないような珍しい名前がありますね。「伊福部」とか「黛」とか、最近では「佐村河内」なんて、読み方すらわからないようなのもありますし。でも、日本人の場合「山田」とか「佐藤」、「高橋」といった、ごくありふれた名前もありますから、許しましょう。
アルノルトが生まれたのは1855年ですから、マーラーが生まれる5年前ですね。すでにフェリックス・メンデルスゾーンは8年前に他界していて、世の中は「後期ロマン派」へ向かおうとしていた頃です。
彼は、最初は法律家を目指しますが、後に音楽家への道を進み、フランクフルトの音楽院の教授なども務めます。この時の生徒の一人に、パウル・ヒンデミットがいたそうです。作品は、オペラや交響曲などそれなりにあるようですが、メインは教会音楽のようですね。
この特徴的なデザインのジャケットでおなじみのSWRヴォーカルアンサンブルの作曲家シリーズは、確かずっと芸術監督のマルクス・クリードの指揮で録音されてきていたはずですが、今回は重鎮、フリーダー・ベルニウスの指揮です。ここで彼が選んだアルノルト・メンデルスゾーンの作品は、「ドイツ・ミサ」と、「宗教的合唱音楽Geistliche Chormusik」です。
「ドイツ・ミサ」は、文字通りドイツ語によるミサ曲。ラテン語の典礼文をそのままドイツ語に訳したテキストが使われています。「Gloria」は「Ehre sei Gott in der Höhe」、「Credo」は「Der christliche Glaube」といった具合です。ただ、「Sanctus」に相当する「Heilig」では、最初の方に見慣れないテキストが入っていたり、「Christe, du Lamm Gottes(=Agnus Dei)」のあとにもう1曲「Schlußgesang」が加わっています。これはもう、もろルネサンスあたりの音楽をリスペクトしていることがすぐ分かる、対位法を前面に押し出した作品です。
「宗教的~」の方は、タイトルからも分かる通り、シュッツの作品の精神をその時代に再現したような仕上がりです。なんでも、シュッツはアルノルトのアイドルなのだとか。ここでは「待降節のモテット」、「クリスマスのモテット」、「公現祭のモテット」の3曲が演奏されていますが、それぞれ合唱、ソリ、コラールなどが組み合さわれていて、楽しめます。「待降節」では、バッハでおなじみのコラールが、その時代からバロックを眺めているような装飾が施されて、この作曲家の立ち位置が明確に示されています。
この合唱団の硬質のサウンドが、何のストレスもなく伝わってくる素晴らしい録音、やはり、合唱はSACDでなくては、と、痛感させられる音でした。

SACD Artwork © SWR Media Services GmbH
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by jurassic_oyaji | 2013-05-23 20:14 | 合唱 | Comments(0)