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THE KING'S SINGERS
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The King's Singers
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キングズ・シンガーズのRCA時代のアルバムがまとめて「ベスト」としてリリースされたのは、2008年のことでした。こちらでご紹介していましたが、「ベスト」とは言っても再編集したものではなく、オリジナルアルバムの現物を5アイテム、そのまま箱に入れた、という豪快なものでした。当然、普通のCDのパッケージに入ったものが5個入っていますから、厚さは5センチ以上という、かなり大きなものです。
それは、「SONY/BMG」時代に出たものですが、その会社も今では「SONY」となって、今度はドイツのSONYから、それとほぼ同じ内容のボックスがリリースされました。これは、「Original Album Classics」というシリーズで、紙ジャケットの5枚組ですから、全体の厚さは普通のCD1枚と同じぐらいに「コンパクト」になっています。ただ、「Classics」とは言っても、「クラシック」のアイテムが出始めたのはごく最近のこと、それまではジャズやロックの「クラシックス」が大量に出ています。つまり、旧COLUMBIAのボブ・ディランも、旧RCAのエルヴィス・プレスリーも、今や同じ会社のカタログとして、このような「ボックス化」が行われるようになっているのです。
以前のボックスに入っていたのは、「Good Vibrations」(1992)、「Chanson d'amour」、「Renaissance」(1993)、「Nightsong」、「Spirit Voices」(1997)でしたが、今回は「Renaissance」がなくなって、代わりに「Fire and Water」(2000)が入っています。
したがって、今回のボックスのスパンは前作より3年伸びたことになり、その間のメンバーチェンジもかなりのものになります。まず、以前はすべてのアルバムに参加していたテナーのボブ・チルコットが、今回は最後のアルバムではポール・フェニックスに替わっている、という状況ですね。それと、この最後のアルバムには、現在も使われている「k's」というロゴが用いられていますから、単にテナーが替わった以上の変化がこのあたりであったのでは、という推測もできることになります。
そして、このボックスの最初の方には参加していたオリジナル・メンバーのアラステア・ヒューム(CT)とサイモン・カーリントン(Bar)が、3枚目以降にはいなくなっているというのも、やはりしっかりと「歴史」を語ってくれるものです。二人とも、おいしそうな名前ですね(それは、「カステラ・ヒューム」と、「サイモン・カリントウ」)。さらに、最初のアルバムが初めての参加作となったデイヴィッド・ハーレイ(1曲だけ、前任者のジェレミー・ジャックマンがまだ歌っています)は、現在では最古参のメンバーとなってしまいました。というか、ほかのメンバーで今も残っているのは、このボックスの最後のアルバムから参加したポール・フェニックスだけなのですから、いかに頻繁にメンバーが入れ替わっているかが分かります。したがって、グループ全体の魅力も、時々のメンバーによる浮き沈みは致し方のないことなのでしょう。異論はあるかもしれませんが、このRCA時代のシンガーズというのは、ある意味どん底の状態だったのではないでしょうか。
それは、ひとえにテナーのボブ・チルコットのせいだと勝手に決めつけているのですが、今回のボックスで初めて聴くことが出来た2000年の「Fire and Water」にはもう彼の姿はありません。この、スペインのルネサンス期の音楽を集めたアルバムでは、聴いたことのある曲は皆無ですが、彼らが持ち前のサービス精神で伸び伸びと歌っているのがとても心地よく感じられるものです。何か、ちょっと横道にそれていたものが、設立時の本来の姿に戻ったな、と安心できるような素敵なアルバムでした。
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そんな、メンバーとアルバムとの関係を調べていた時に、ブックレットにとんでもない間違いがあることを見つけてしまいました。4枚目のアルバムのメンバーが、1枚目と全く同じものになっているのですね。本体のジャケットを見れば間違いに気づくのでしょうが、こんなお粗末なミスはNAXOSだって犯さないでしょう。
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CD Artwork © Sony Music Entertainment Germany GmbH
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by jurassic_oyaji | 2013-06-08 22:35 | 合唱 | Comments(0)