おやぢの部屋2
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MAHLER/Das Lied von der Erde
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Alice Coote(MS)
Burkhard Fritz(Ten)
Marc Albrecht/
Netherland Philharmonic Orchestra
PENTATONE/PTC 5186 502(hybrid SACD)




趣味の悪さでは定評のあるPENTATONEのジャケット・デザインですが、今回もなんだか指紋の拡大写真みたいなものだったのには、ちょっと引いてしまいました。これはいったい何なのでしょう。もしかして枯山水の庭園?「大地の歌」の中国からの、短絡的な発想なのでしょうか。
それよりも、録音場所のクレジットで「Yakult zaal」、つまり「ヤクルト・ホール」とあったのにはびっくりです。オランダにまで「ヤクルト」が進出していたとは。確かに、このホールはアムステルダムの駅前にある有名な建築物、「ブールス・ファン・ベルラー」の中にあるいくつかのホールの一つで、最大で800人まで収容できる中ホールなのだそうです。写真を見ると、天井がガラス張りのモダンなホールです。「ヤクルト」は、このホールのネーミング・ライツを買っただけなのか、実際にホールの運営にまで関わっているのか、それはわかりません。もしかしたら、休憩時間には、お客さんにヤクルトが配られたり、ホールの開演のブザーの代わりに、モーツァルトの「グラン・パルティータ」が演奏されるのかもしれませんよ(「十三管」≒「乳酸菌」ですね)。
今回のSACDでは、アルブレヒトが「大地の歌」を演奏すると聞いて、一瞬、最近室内楽版が出たばかりなのでは、と思ってしまいましたが、それは別のアルブレヒトでした。そう言えば、ずっと日本のオーケストラの常任指揮者を務めていた人がいましたね。もう一人いたのでした。でも、なんだかファースト・ネームが「マルク」というのが気になります。その人は同じ3文字でも、もっと汚い響きがしたような・・・ああ、そうでした、それは「ゲルト」でしたね。マルクさんは、初めて聴くことになる指揮者だったのでした。なんと紛らわしい。
実は、本当の話、ずっと「ゲルト」だと思ってこのSACDを聴いていました。聴いているうちに、えらく几帳面な指揮ぶりで、これは違うのではと思って、やっと間違いに気付いたわけです。なんか、こんな拍の頭が常に分かってしまうようなかなり分かりやすい指揮は、「ゲルト」の年代の指揮者には似つかわしくないな、と。実際のところ、「マルク」は、「ゲルト」と同世代のゲオルク・アレクサンダー・アルブレヒト(この二人は赤の他人)という、ずっとオペラ畑で活躍していた指揮者の息子さんですから、まさに一世代若いことになります。
ところが、テノール・ソロのフリッツが、かなりゴツゴツとした歌い方をする人なので、こういう「スマート」な指揮にはちょっと馴染まないような感じで、何か聴いていて違和感が残ります。指揮者はかなり軽快なテンポでサクサクやりたいと思っているのに、なにかもっと「クサく」おどけてやりたがっているみたいなのですね。
そこへ行くと、メゾ・ソプラノのクートは、アルブレヒトにしっかり寄り添って、素晴らしい歌を聴かせてくれています。終曲の「別れ」は、重みこそないものの、繊細な情緒をたたえた伸びのある声で、とても深いものが表現出来ているのではないでしょうか。この楽章では、様々な木管楽器がオブリガートを務めますが、中でもオーボエとフルートは絶品です。フルートは、多分木管の楽器を使っているのでしょう、とても渋い音色が魅力的です。一瞬、ドビュッシーのような音楽がよぎるのも、新鮮な体験です。
一時、TRITONUSに替わったこともありましたが、最近のこのレーベルは、一貫してPOLYHYMNIAが録音を担当しています。その、DECCAあたりとは正反対の、まさにかつてのPHILIPSのポリシーが感じられる繊細なサウンドは、ワーグナーあたりではちょっと物足りなく思えてしまいますが、この曲の、特に終楽章ではとても味わい深いものを感じさせてくれます。最後のチェレスタが登場するあたりは、殆ど夢を見ているような柔らかい音に包まれて、まさに至高の一時を味わえます。

SACD Artwork © PentaTone Music b.v.
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by jurassic_oyaji | 2013-06-12 21:06 | オーケストラ | Comments(0)