おやぢの部屋2
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NICOLAI/Geistliche Chormusik
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Sarah Schnier(Sop), Alexandra Thomas(MS)
Wolfgang Klose(Ten), Lucas Singer(Bas)
Harald Jers/
Kammerchor CONSONO
Folkwang Kammerorchester Essen
CARUS/83.341




オットー・ニコライのニ長調の「ミサ」をメインに、彼の宗教合唱曲を集めたアルバムです。ブックレットには2010年にこのレーベルの本体の楽譜出版社から刊行されたばかりのこの曲の楽譜が「サンプル」として載っています。さらに、この中には「世界初録音」というものが3曲も含まれていますが、それも、聴いてみて自分たちも歌いたくなってきたら、すぐご用意できますよ、というスタンスで待機しているのでしょうね。なかなかの商売上手。
そんな体制が整っているので、とても便利なこともあります。つい最近、ここの楽譜を扱っている楽譜屋さんのメルマガ経由で、ヴェルディの「室内楽版レクイエム」がこのたび発売になった、という案内が届きました。これはもちろんオリジナルは大編成のオーケストラが必要な曲なのですが、なんせ実際にオーケストラを雇うなんてなかなか出来ることではありませんから、少人数の合唱団でも簡単に演奏できるようにオーケストラのパートをたった5人で演奏出来るように編曲した楽譜が発売になった、というのです。例えば、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」のような、やはりオーケストラが必要な曲でも、それを2台のピアノで済ましてしまえるようなものはありましたから、それをヴェルディでやってみたのでしょう。いくらなんでもピアノ2台ではしょぼすぎますから、ここでとった編成は、ピアノ、ティンパニ、マリンバ+大太鼓、ホルン、コントラバスというものだそうです。うーん、なんとも不思議な組み合わせ、これではたして、あのヴェルディの色彩感豊かなオーケストラのサウンドを作り出すことなんてできるのでしょうか。
そう思った時に、すかさず実際の「音」を提供してくれるのがこのレーベルなのですよ。おそらく、そう遠くない将来に、この楽譜を使って演奏されたヴェルディの「レクイエム」が、このレーベルによって録音されて、発売されるはずなのですよ。実は、こちらのサイトで一部分ですが実際の演奏が聴けますから、もしかしたらすでに録音は終わっているのかもしれませんね。「Dies irae」の4曲目の「Quid sum miser」でのファゴットのオブリガートが、マリンバに替わっていたりして、かなりショッキング、とても楽しみです。
オットー・ニコライと言えば、序曲だけしか聴いたことのないオペラ「ウィンザーの陽気な女房」の作曲者として、あるいは、あのウィーン・フィルの初代の常任指揮者としての認識ぐらいしかなく、その生涯などはほとんど知らなかったのですが、実は38歳という若さでこの世を去っていたのですね。あるいは、ごく小さな頃から音楽の才能を発揮して、親から英才教育を受けたとか、まるで彼が生まれる20年ほど前に亡くなったあの「天才」の生まれ変わりのようではありませんか。いっぺんに親しみがわいてきました。
ここで演奏されている最も長い作品、ソリスト、合唱とオーケストラのための二長調の「ミサ第1番」の楽器編成が、木管楽器はクラリネットとファゴットだけ、というのも、その「天才」の「遺作」と酷似しているのもうれしいことでした。この柔らかなサウンドのオーケストラに乗って、殆どアンサンブルでしか歌わないソリストと、落ち着きのある音色の合唱は見事に溶けあった穏やかな響きを醸し出しています。時折トランペットとティンパニによる華やかな部分も出てきますが、その落ち着いたたたずまいが変わることはありません。
後半はア・カペラが中心の詩篇などが並びます。オーケストラの中では、ちょっと遠慮がちだった合唱は、ここにきて全開、とても澄み切った声が、録音会場のエッセン・フィルハーモニーに響き渡ります。ほんと、この、いかにも永田音響設計の手になるもののように見える(本当はそうではながたのかも知れませんが)ホールの響きの美しいこと。
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CD Artwork © Carus-Verlag
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by jurassic_oyaji | 2013-07-18 23:00 | 合唱 | Comments(0)