おやぢの部屋2
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MAHLER/Symphony No.8
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C. Brewer, C. Nylund, M. Espada, S. Blythe,
藤村実穂子, R.D. Smith, T. Hakala, S.Locán
Mariss Jansons/
Netherlands R. C., State Choir'Latvija', Bavarian R. C.
National Boys & Children's C., Royal Concertgebouw O.
RCO LIVE/RCO 13002(hybrid SACD+BD)




以前、このロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団がいろいろな指揮者によってマーラーの全交響曲を演奏した映像集(DVD, BD)がリリースされていましたが、その中で、現在の首席指揮者ヤンソンスが指揮をしていた「8番」が、SACDになりました。しかも、ここには「ボーナス・ディスク」として、その時の映像が同梱されていて、価格はCD1枚分というのですから、なんともお買い得。いつもながらのこのレーベルの良心的な価格設定には、感謝の言葉もありません。ちなみに、映像はDVDBDの中から選べるようになっていますが、当然BDタイプを買わせていただきました。
今までの経験で、BDDVDでも)の音は下手をするとSACDよりも良いことが分かっていますから、まずはBDからチェックです。音ももちろんですが、何よりもこの大編成の曲での実際の「人」の様子には興味がありますからね。
オーケストラの人数は、弦楽器が18型(コントラバスが10本)という、この曲にしては「普通」の編成をとっています。合唱は、会場のコンセルトヘボウのステージ上の客席をすべて使って、真ん中に90人の児童合唱、左右に、合わせて150人ほどの混声合唱が並んでいます。これもまあ、現在では標準的な人数でしょうね。上手の客席最上段には金管のバンダが座っていますし(もう少しで、おれたちの番だ)、下手の同じ場所には、第2部の始まりから3人目のソプラノ・ソロ(栄光の聖母)が座って、出番を待っています。ほかのソリスト7人は、指揮者の横に並びます。
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BDの場合は、指揮者やソリストの入場のところから始まりますから、そこで客席の拍手が聴こえます。まず、その拍手の音がとても美しく響いていることに感激してしまいます。このホールの音響がとても素晴らしいことが、これだけで分かってしまいます。そして、指揮者が指揮台に上って拍手も止み、一瞬の静寂の中から聴こえてきたのは、この大編成からは想像できないほどの澄み切った音でした。特に、合唱のピュアな響きには心底惹きつけられてしまいました。この「大人」の合唱団は、ヤンソンスの故国ラトヴィア、そして、ヤンソンスが首席指揮者を務めるオーケストラがあるオランダとドイツの、それぞれ屈指の実力を持つ団体が集まったものなのですから、それは当然のことでしょう。というより、この曲を巨大なものととらえ、物量で勝負しようという時代は終わっているのだ、ということが、こういうコンパクトな(あくまで相対的なものですが)合唱を聴くと強く印象付けられます。
BDではオーケストラのメンバーも良く分かりますが、フルートのトップがエミリー・バイノンだったのはしあわせでした。ただ、濃すぎるメークのせいでしょうか、最初は全くの別人だと思ってしまいましたが、音を聴けばまぎれもない彼女のトーンだったので、一安心。あとは、出番の少ないマンドリン奏者が、身動きもしないでずっと座っているのも興味深い映像です。そして、演奏が終わったあとは、会場のお客さん全員によるスタンディング・オベーションです。こんなことが、本当に起こっていたのですね。
録音も、巨大さよりは繊細さにフォーカスを合わせたような素晴らしいものでした。Polyhymniaのクルーによって、コンセルトヘボウ管の弦楽器のしなやかさは際立って聴こえてきます。大音響での力強さと、本当に静かなところでのふっくらとした肌触りの対比は絶品です。
ところが、SACDで聴いてみると、その音はBDとはかなり違っています。繊細さはそこそこ感じられるのですが、力強い部分ではなにかヴェールに包まれたようになって、勢いが殺がれてしまっているのですよね。これは、常々この2つの媒体を比べた時に感じられたこと、現場ではPCMで録音した音源を、そのままPCMで再生するBDと、それをDSDに変換したSACDとの違いは、かなり大きなものなのかもしれません。

SACD and BD Artwork © Koninklijk oncertgebouworkest
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by jurassic_oyaji | 2013-08-03 20:35 | オーケストラ | Comments(0)