おやぢの部屋2
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メモリー
 もういったい何回見たのかも忘れるぐらい、たくさん接してきた「CATS」ですが、その中で一番有名なナンバーは、やはり「Memory」でしょうね。というか、何度聴いても「Memory」以外はなんかどうでもいい曲ばかり、という気がしてくるのですがどうでしょう?他の曲は、そこそこひねりのきいた作り方ではあるものの、なんかつまらないというか、心に響かないというか。
 なんて言うと、ファンの人からは抗議が来るはずですが、例えば「ミュージカル名曲集」あるいは、もっと限って「ロイド・ウェッバー名曲集」みたいなコンサートやアルバムがあったとして、「CATS」からは「Memory」の他に独立して歌われるだけのナンバーって、あるのかな、と思ってしまいます。「オペラ座の怪人」あたりだと、少なくとも3曲ぐらいはキャッチーなナンバーがすぐ見つかるんですがね。
 でも、この「Memory」という曲は、本当に流れるように素敵なメロディで出来ているのですが、実際はとんでもない作られ方をしているんですね。
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 このように、まさにバラードの王道の12/8というビートで歌われるのですが、歌が始まって5小節目が、なんと「10/8」という変拍子になっているのですね。つまり、普通は「3+3+3+3」という均等のビートなのに、この小節だけ、後半が1拍ずつ少なくなって「3+3+2+2」といういびつなビートになっているのです。こういう、常に一定のビートで刻まれているのが当たり前のポップスのバラードでは、こんなことはまずあり得ません。ですから、私は最初聴いた時からずっと、後半の2拍+2拍の部分は、伴奏はあくまで3拍のところに、メロディが2拍入っているのだと思っていました。つまり、今まさに練習している最中の、シベリウスの交響曲第1番の第1楽章、「Tranquillo」の11小節みたいなリズムです。これが楽譜、途中で切ったので分かりませんが、拍子は6/4ですから、原理は「CATS」と同じです。
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 しかし、実際にはさっきのような楽譜だったのには、本当に驚きました。しかし、まぎれもない変拍子なのに、そこに違和感が全くないことには、もっと驚きました。ですから、この間中実物を聴いていた時にも、この楽譜のことは全く忘れて、ひたすら流れるメロディに酔っていたわけでして。
 ロイド・ウェッバーの作品には、こんな変拍子がよく出てきます。全曲5拍子や7拍子というナンバーも「Jesus Christ Superstar」にはありますが、こんなさりげない仕掛けが、彼の作品の魅力を作っているのでしょう。
 ただ、いつも思うのですが、「劇団四季」がこれを日本語で上演すると、なんともいたたまれない気持ちになるのですね。特に、今回の仙台では、役者さんのせいなのか、PAのせいなのかは分かりませんが、言葉がとてもはっきり聴こえてきます。そうなると、もろにこのひどい訳詞がことごとく引っかかってくるんですね。ただ「説明」しているだけで「歌詞」としては全く美しくないのですよ。一番恥かしいのは、「Growltiger's Last Stand」という劇中劇の中に出てくるグロールタイガーとグリドルボーンのデュエットの最後で「センチメンタル・ジャーニー」と歌わせているところです。確かに原詩には「Sentimental」という言葉は出てきますが、それは、こんな手あかのついた言い方ではないのですよ。
 こんな下手くそな訳詞ではなく、いつか、もっと練れた訳詞で聴いてみたいものですが、それは無理というものなのでしょうね。やはり趣味の悪い「帯職人」が日本語の帯原稿を書いているさるレーベルで、「じぇ、じぇ、ジェズアルド」みたいな情けないキャッチ・コピーが垂れ流されて行くのと同じことなのかも。
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by jurassic_oyaji | 2013-08-24 23:09 | 禁断 | Comments(0)