おやぢの部屋2
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自動ドア
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 最近、こういう書き方が気になってたまりません。「この出入り口は、閉鎖する場合がございます」って、一体どこが引っかかるの?と思いになる方がほとんどではないでしょうか。というか、こういうのに違和感を抱かないという人が多いという事実が、とりもなおさずこんな大手スーパーの出入り口に堂々とこういう、私にとっては違和感のある文字列が人目にさらされるという事態を招いているのでしょうね。
 なぜ違和感があるかというと、「閉鎖する」という動詞は、どこかにその動作を行う人、あるいは物、つまり「主語」が必要なのですが、この文だと、「出入り口」が「主語」に見えてくるのですね。つまり、「出入り口」さんが「何か」を「閉鎖する」ということを表現しているのが、この文だと思えてしまうのですね。本当はそうではなく、「誰か」が「出入り口」を「閉鎖」するという状況なのですから、それは「出入り口」さんにとっては「受け身」になるわけです。もうおわかりですね。この文は「この出入り口は、閉鎖される場合がございます」と書くのが、正しい書き方なのですよ。
 これを応用すると、「今度、新しいアルバムがリリースします」というのはおかしくて、正しくは「今度、新しいアルバムがリリースされます」ということになりますね。どうしても前のように言いたい時には、「僕は、今度、新しいアルバムをリリースします」と、はっきりと「主語」を入れなければいけません。
 ですが、おそらくここまで読んできて、同意できる人はかなり少なくなっているのでは、という気がします。理屈ではこういうことなのですが、実際には世の中にこういう、今までの文法では間違っている言い方がものすごく氾濫していますから、もはやだれもそれを間違いだとは思わなくなってしまっているのですね。いや、実はそうではなくて、私たちは「文法」そのものが変わってしまう、まさにそのさなかにあるのでは、という気がします。そもそも「文法」というもの自体が、それまでにあった言葉を理論づけるために無理やりでっち上げられた法則なのですから、言葉そのものが変わってしまっては何の意味も持たなくなるのですからね。ほんとですよ。もし仮に「文法」が先にあったのだとしたら、例えば動詞の活用にあんなにたくさんの種類(「五段活用」とか「上一段活用」とか)が出来るわけがないじゃないですか。その上に、さらに「特例」として「変格活用」なんてものを用意しているのですから、これはどう考えても実情に合わせて「規則」を捻じ曲げた結果でしかありません。
 そんなわけですから、別にスーパーの入口にこんな掲示があったとしても、「これは新しい言い方なのね」と認めてあげられるぐらいの寛容な心は持っています。要は、自分で書く文章には、決してそんな、私としては「間違っている」と思える言い方は使わない、というぐらいのことなのですから、別に気にしないでください。たかが「言葉」なんですから。
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 そのスーパーに入ったら、こんなゲテモノがあったので、さっそく買ってみました。同じ色でも抹茶は許せませんが、「ずんだ」なら別に平気ですから。食べてみると、別にどうということのない味でした。別にまずいわけではありませんが、特においしいというわけではないという、なんとも優柔不断な味でした。まずくてもいいから、もっとはっきりした主張を持って欲しかったと思います。
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by jurassic_oyaji | 2013-08-28 22:11 | 禁断 | Comments(4)
Commented by クレーマー&クレーマー at 2013-09-23 15:38 x
非常にわかりやすい説明です。
私も言葉にはこの上なくこだわりを持っています。
記事を私のブログに引用させてください。
参考になるご意見ありがとうございました。
Commented by jurassic_oyaji at 2013-09-23 21:01
クレーマー&クレーマーさん。
コメントありがとうございました。何なりとご引用ください。
Commented by ハンバーグ at 2013-09-25 22:17 x
「玉ねぎはみじん切りにし、バターで炒め、冷ます」
料理レシピにあった文章ですが、この場合も「玉ねぎはみじん切りにされ、バターで炒められ、冷まされる」と受動態で書くのが正しいのでしょうか?そんな風に書いてあるレシピを見た事がないのですが。
この場合、「玉ねぎは」は主語ではなく「主題」であり、その後に続く内容の対象となる物を表しています。つまり、「玉ねぎにつきましては」という様な意味です。
主語は書かれていませんが、常識的に考えれば「みじん切りにする」という動作を行うのは「料理を作る人」としか答えが無いはずです。となれば、主語は料理人と言うことになります。
書かれていないから、主語が存在しないのではなく、「状況的に分かるでしょ」と言うことはいちいち書かないで省略するのが日本語の特色の一つです。
スーパーの「この出入り口は…」の文章でも同様です。
「この出入り口につきましては、私共が(or 従業員が)閉鎖する場合がございます」という事を簡潔に書いているだけであり、誤りではないと考えます。
Commented by jurassic_oyaji at 2013-09-25 23:25
ハンバーグさま。とてもとても貴重なご意見、ありがとうございました。