おやぢの部屋2
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SACRED VERDI
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Maria Agresta(Sop)
Antonio Pappano/
Coro dell'Accademia Nationale di Santa Cecilia-Roma
(by Ciro Visco)
Orchestra dell'Accademia Nationale di Santa Cecilia-Roma
WARNER/9 84524 2




今までジャケットにあった「EMI」というロゴが、「WARNER」というロゴに替わって最初に発売されたアイテムの中の一つを、実際に手に取って見てみました。確かに、あの印象的な赤いロゴがなくなって、ジャケットの表のイメージは一新されてしまいましたが、その他の部分、たとえば背中などは、デザイン的には全く同じですね。さらに、ブックレットのレイアウトや紙質、品番の付け方なども、EMI時代と全く一緒、作り手自身は全く変わっていないことがうかがえます。
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ただ、ロゴだけではなく、全てのテキストの中から「EMI」という文字がきれいに消えてしまったことには、寂しさを通り越して怒りに近いものがわいてきます。最初にEMIを買収したUNIVERSALではきちんとロゴなどは残していましたからね。それが、今回は「レコード」が誕生した時から存在していた老舗レーベルに対しての、こんなぞんざいな仕打ちですよ。WARNERというか、それを取り巻くビジネス社会では、そのような文化に対する畏敬の念などは、まったく顧慮されることはなくなっているのだという現実を突きつけられて、とてもやりきれない気持ちでいっぱいです。あくまでクラシックに関してだけのことですが、レコードの世界にはもう「EMI」という慣れ親しんだ言葉は存在していないことになってしまったのですからね。そう言えば、このアルバムには「Mastered at Abbey Road Studios」というクレジットが見られますが、この、かつてはEMIの所有物であった由緒正しいスタジオは、今は誰のものになっているのでしょう。
さて、このアルバムには、タイトルにもあるようにヴェルディの宗教的な作品が集められています。彼の最も有名な宗教曲といえば、あの「レクイエム」ですが、ここではそれ以外の作品が収められています。ひとまずメインの曲目は「聖歌4篇」という、これもそこそこ有名な作品。そして、カップリングが1869年に作られた「Libera me」です。この曲は、その5年後に作られることになる「レクイエム」の最後の楽章の最初の形として知られているものですね。そもそもは、ロッシーニの死を悼んで、イタリアの13人の作曲家が分担して作った「Messa per Rossini」の最後を飾る曲として作られたものです。しかし、このヴェルディが仕掛けた壮大なプロジェクトは、曲自体は完成したにもかかわらず失敗に終わり、演奏されなかったそれらの楽譜は、一部を除いて出版社のリコルディの倉庫に眠ったままとなるのです。
そのミサ曲が日の目を見るのは、作られてから119年後の1988年のことでした。ヘルムート・リリンクによるその「世界初演」の模様はCDHÄNSSLER/98.949)になりましたが、おそらく、それ以来「全曲」が録音されることはなかったようです。「レクイエムの歴史」の中でも「各章は概して冗長で約2時間の全曲を聴きとおすにはかなりの忍耐が要る」と述べられている通り、全体の曲ははっきり言って駄作です。ただ、ヴェルディの作った「Libera me」だけはその後も何かの折に録音されることもありました。その「折」とは、まず2001年の「没後100年」。その時には、チョン・ミョンフン(DG)とリッカルド・シャイー(DECCA)が録音していました。そして、今度の「生誕200」年です。ちょっと前にジャナンドレア・ノセダ(CHANDOS)が録音していたと思っていたら、今回のパッパーノです。思いもかけない「Libera meインフレ」ですね。
これだけ録音が揃っていれば、これは単なるマニアックな「初稿」ではなく、それだけで十分存在価値を示しています。たとえば、「Dies irae」の冒頭などは、「レクイエム」で聴かれるような度肝を抜くインパクトとはちょっと違う、もっとマイルドなものを聴くことが出来ます。
こちらはセッション録音で、なかなか充実した演奏なのですが、肝心の「聖歌4篇」の方はライブ録音で、かなりいい加減なところがあります。

CD Artwork © Warner Classics, Warner Music UK Ltd.
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by jurassic_oyaji | 2013-10-02 21:40 | 合唱 | Comments(2)
Commented by 岡本浩和 at 2013-10-03 01:48 x
確かにEMIのロゴがなくなったことは寂しさの限りですね。
先日、銀座の山野楽器のセール籠でクレンペラーの宗教音楽集を見かけました。何とロゴはワーナー。一瞬何のCDだろうと目を疑いましたが・・・。いたたまれません・・・(涙)。
Commented by jurassic_oyaji at 2013-10-03 08:33
岡本様。コメントありがとうございます。
私はそのクレンペラーを買いました。確かに、ロゴ一つでまるっきり印象が変わってしまいますね。