おやぢの部屋2
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Hyme to the Virgin
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Tone Bianca Sparre Dahl/
Schola Cantorum
2L/2L-095-SABD(SACD & BD)




ノルウェーのレーベル2Lお得意の、音の良さを売り物にしたアルバムです。その音の良さを表現するのに「アナログのような」という言い方をしているのが、なんか笑えますね。このレーベルは「デジタル」であるPCMの解像度を目いっぱい上げた「DXD」という規格で録音を行っているのですが、それでもまだまだ「アナログ」には負けていると感じているのは、エンジニアの正直な思いなのでしょう。デジタル録音が現れた頃には、それよりはるかに解像度の低いCDの音でさえ「アナログより素晴らしい」と言われていたのは、いったいなんだったのでしょうね。
もちろん、その「DXD」をそのまま再生する民生機などは存在していませんから、それを聴くためには少し解像度を下げて、今ある機器で再生できるだけの「妥協」を図る必要があります。そこで、このレーベルはこんな風に24bit/192kHzBDオーディオとSACDの2枚組で、同じプログラムをリリースするようになりました。
最近では同じソースをBDオーディオとSACDと比較する機会も増えました。そうすると分かったことは、やはりPCMで録音(アナログ音源の場合はトランスファー)されたものは、明らかにBDオーディオのほうが優れているということでした。さらにBDオーディオの場合、ごく普通のBDプレイヤーからのアナログ出力で、充分その特性を発揮出来ているというありがたい面もあります。というより、この分野では、BDオーディオに特化したハイエンドの製品というものは、実はまだ存在していないのですがね。
ただ、このレーベルの場合、せっかくそんな最高の音をBDで提供しているにもかかわらず、その製品管理のせいなのか、そもそも設定された規格のせいなのかは分かりませんが、プレイヤーの機種によっては再生できないものがあるのですよね。今まで購入したものでの実績は1勝1敗でしょうか。これはただ再生できないというような生易しいものではなく、ディスクを入れた時点でプレイヤーがフリーズしてしまって、トレイを開けることすらできなくなってしまうのですから、重症です。
今回買ったものも、そんな「不良品」でした。ただ、フリーズはするもののいったん電源スイッチを切ればトレイは開きますから(以前は、電源コードを抜く必要がありました)、いくらかは「改善」されていたのかもしれませんが。仕方がないので、予備のプレイヤーを使っての再生です。これはいざという時のための本当の「安物」ですが、以前から普段使っている機種と聞き比べて、SACDよりはるかにいい音であることは確認済みです。ということで、SACDと交互に再生しながら聴き比べていくことにしましょうか。
この合唱団は、クヌット・ニューステットという、ノルウェーの合唱界をリードしている重鎮が1964年に学生を集めて作ったものですが、今でもおそらく学生が中心のメンバーという姿勢は貫いているのでしょう。男声も女声も、とても若々しい声が爽やかに響きます。もちろん、アンサンブルも完璧、すべて無伴奏で、様々の国の作曲家が作った聖母マリアをたたえる歌が流れます。それはもう、心が洗われるような美しさが部屋中に響き渡ります。時折ノルウェーの現代作曲家のちょっととんがった作風の曲なども出てきますが、それとても全体の穏やかさの中では、確かな「箸休め」として聴こえます。
例えばブルックナーの「アヴェ・マリア」などでは、冒頭の女声合唱での最も高い声部がBDでは確かにちょっとしたはかなさを持つソプラノとして聴こえてくるのですが、SACDになると、それがなんとも落ち着いたアルトのように聴こえます。SACDでは、何か全体的に薄い紗幕がかかっているような感じ、そのために、なんともなめらかな音になっているのですが、そこからはBDの持っている生々しさを味わうことはできません。「好み」と言われれば、それまでかもしれませんがね。

SACD & BD Artwork © Lindberg Lyd AS
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by jurassic_oyaji | 2013-10-18 20:41 | 合唱 | Comments(0)