おやぢの部屋2
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SCHUMANN/Sinfonie Nr.3, DVORÁK/Symphonie Nr.9
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Ferdinand Leitner/
Berliner Philharmoniker







Otto Gerdes/
Berliner Philharmoniker
音楽之友社/RGMC-0001


毎月「レコード芸術」という雑誌を購読しています。掲載されている記事はとことん役に立たないものばかりですが、「資料」としては確実に何年かあとには使うことがあるはずですからね
その11月号を買おうと本屋さんに行ったら、お会計の時に「1850円です」と言われてちょっとびっくりしてしまいました。いつもは確か1350円ぐらいだったはずですから、いつの間にか値上げされていたのかな、と。そんな値段になってしまったら、ちょっと「資料」にしては高すぎるので、もう潮時かな、とかね。しかし、これはあくまでも「特別定価」であったことがすぐにわかりました。11月号ではベルリン・フィルの特集をしているのですが、それに関連して今までCD化されていなかったベルリン・フィルの珍しい録音のCDが「付録」として付いているのですね。しかも、DGの。つまり、「大メーカーのCD」が「たった」500円で付いてきたということになります。ちょっと前なら「これは安い!」と喜ぶところなのでしょうが、今はDGでさえボックスだと1枚200円ぐらいで買えてしまうという時代ですから、これは微妙です。
このCDには、2枚のLPがまるまる入っていました。フェルディナント・ライトナーが指揮をしたシューマンの「ライン」と、オットー・ゲルデス指揮の「新世界」です。なぜか、どちらの指揮者も実際に生で聴いたことがある、というのが懐かしさを誘います。
まず、ライトナーは19741010日に、バイエルン州立歌劇場の引っ越し公演で「フィガロ」を聴きました。なんともおっとりとした、緊張感の全くないモーツァルトで、途中で猛烈に眠くなったことしか覚えていません。「ライン」は1953年の録音で、もちろんモノラルです。しかし、これはそんな「生」の印象とは全く違ったとてもきびきびした演奏にちょっと驚いてしまいました。というか、何か即物的でてきぱきと事を運ぶやり方は、この時代の演奏様式の反映なのでしょう。録音もなかなか立派なもので、これなら一人の指揮者のある時期の記録としての価値は十分にあるものです。
問題はオットー・ゲルデス。夫は下痢です。この人を実際に聴いたのは1973年の1120日の東京都響の特別公演、ご存知のように、この人はDGのプロデューサーだった人、1970年に退社し、この頃は本格的に指揮活動を行っていて、ついに日本にまでやってきたという時期でした。会場が中野サンプラザというとんでもないところだったので、そもそも期待はできませんでしたが、そのあまりにだらしのない指揮に腹を立てて、途中で帰ってきたコンサートでした。
この「新世界」は、1964年の10月に録音されたものです。まだDGの社員でしたから当然プロデューサー業の合間のセッションなのでしょうが、同じ年の3月にはカラヤンとベルリン・フィルで、全く同じ曲の録音を彼自身がプロデュースしているのですね。これはいったいどういうことなのでしょう。一つ考えられるのは、発売された時のレーベルが「DG」ではなく「HELIODOR」という廉価盤専門のレーベルですから、カラヤンのような「正規品」には手が届かないようなユーザー向けの「安物」を作ったのではないか、ということです。
確かに、これはセッション録音にしては、かなり雑な仕上がりになっています。まず、普通は録り直すはずの「ガタン」というようなハデな演奏ノイズがそのままになっていますし、オケのアンサンブルが、とてもベルリン・フィルとは思えないユルさなんですね。木管のアインザッツやピッチは合ってないし、弦と管はズレまくっています。
これはまさに「やっつけ仕事」の産物。「今回初めてCD化」と言ってますが、CD化されなかったのにはそれだけの理由があったのですよ。そんなクズを、雑誌の定価に組み込んで強制的に買わせるという商法は、ほとんど犯罪です。この出版社はそこまで堕ちてしまったのでしょうか。

CD Artwork © Deutsche Grammophon GmbH
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by jurassic_oyaji | 2013-11-01 21:02 | オーケストラ | Comments(0)