おやぢの部屋2
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PCオーディオに潜む悪
 最近のレコード業界ではCDのような「フィジカル」な商品の売れ行きは非常に落ち込んでいるのだそうです。その代わりに伸びているのが、音楽データのダウンロードです。もはや、新しいアルバムが出ても買うのは「CD」ではなく、「データ」なのだ、という時代になりかけているのでしょう。ただ、そのデータは、そんなに「音質」はよくないものでした。CD並みのデータをダウンロードするにはかなり時間がかかりますから、データに圧縮をかけて「軽く」しているため、実際に聴こえるのはCDに比べたらはるかにひどいものでした。とは言っても、それは立派なオーディオで聴かれることはなく、主にヘッドフォンで聴かれているものですから、そんな音でも充分に満足できるのでしょう。ですから、すでにCDの音には満足できなくなってきているようなマニアにしてみれば、やはり頼れるのは「フィジカル」なものだったのです。こちらはSACDとか、ブルーレイ・オーディオといった、CDよりも良い音の「ハイレゾ」音源が収録されたパッケージもかなり出回ってきましたしね。
 ところが、いつの間にか、そんなダウンロード界で、そのようなハイレゾ音源を扱う様なところが出てきました。今の録音の現場で使われている機材は、もはやCDのスペックをはるかに超えるものになっています。それをそのまま届けるためにSACDやらBDというパッケージが出ていたとしても、いまいち元気がありません。その間隙を縫って、ハイレゾデータそのものを直接ユーザーに届けようという動きが活発化しているのです。それは「ネットオーディオ」とか「PCオーディオ」と呼ばれているものですね。そのための新しい製品が怒涛のごとく開発され、ユーザーにとっては何を選んでいいのか、あるいは、どのような方式を取ったらいいのか、ほとんどパニック状態に陥っているのではないでしょうか。私も、こんな素晴らしいものはないと思っていますから、なんとかそれを導入したいとは思っているのですが、NASとかDACとか、ちょっとハードルが高いので、もっとシンプルなものが出て来ないか様子を見ていたところです。
 そんな時に、今まで使っていたPCMレコーダーM-10の上級機種が新しく発売されることになりました。M-10は手軽なのはいいのですが、ちょっとマイクがお粗末ですし、そろそろ調子がおかしくなってきているので、これには食指を動かされました。しかも、これはPCMのスペックが、現在のハイレゾの最高値までカバーしています。それだけではなく、DSDでも録音再生が出来るというのですよ。そんなものが、こんなにコンパクトで、考えようによってはかなりリーズナブルに手に入るというだけで、ちょっと興奮してしまったのですが、それだけではなく、これでハイレゾ音源の再生が出来ないかな、と思いました。ダウンロードしたハイレゾ音源は、殆どコピーガードがかかっていませんから、このレコーダーの本体やSDカードにコピーして、それをアンプにつなげれば、そのまんま再生出来てしまいますからね。
 ということで、さっそくお買い上げ。これがその現物です。
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 箱を開けると、なんだか「宝物」みたいに中に収まっていました。
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 これにはリモコンもついていますから、遠くからでも操作できます。
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 それで、試しに単品でダウンロードしたデータを、同じものがCDやSACD、あるいはBDで出ているものととっかえひっかえ比較してみました。それはもう、とても安定した素晴らしい音が聴こえてきます。いろいろなスペックのデータが何種類かある者同士も比較できますが、スペックが上がればそれだけのものが聴こえますし、特にDSDはまさに滑らかの極致です。SACDを、最高のマスタリングで聴いているという感じですね。
 とは言っても、確かにCDに比べれば格段にいい音なのですが、BDあたりではこのレベルはすでに可能になっていますから、それほど大騒ぎをするほどのものではないような気もします。なにしろ、現状ではアイテムがあまりに少なすぎますしね。
 さらに、ダウンロードには決定的な欠点があることも、実際に使ってみると分かります。それは、ライナーノーツのようなものが一切ない、ということです。とくに、CDでは必ず付いている録音データが、この「商品」にはどこにも「書いて」ありません。私がこういう録音されたものを聴く時には、単に出てきた音だけではなく、それを作った人たち、演奏家や録音スタッフたちの仕事まで含めて味わいたいと思っています。こういうものを作った「人間」を感じたいのですよ。それを知るための大切なものが何もないというのが、どうしようもなく寂しく感じられます。フィジカル音源は「文化」と言えますが、ダウンロード音源はもはや「文化」ではなく、ただの「商売」になり下がってしまっているのです。おそらく、こんなことを言われてもなんのことか分からない人の方が多いのではないでしょうか。知らないうちに、そんな愚かに時代になっていたなんて。
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by jurassic_oyaji | 2013-11-28 21:56 | 禁断 | Comments(1)
Commented by リッパ― at 2013-11-30 21:06 x
こんばんは。

>ライナーノーツのようなものが一切ない

困ったことですね。権利関係が絡むのかもしれません。

海外のレーベルサイト、Linn・Hyperion・Channdosなどから直接ダウンロード購入すると、ブックレット(ライナーノーツ)が付いています。
ダウンロード販売もすることを前提にしているのだと思います。

こういう動きが広まって欲しいと思います。

Linnでは、メジャーレーベルも扱っているようですが、残念ながら日本からは購入できないようです。どうも不便な国に住んでいるような気が気がします。