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VERDI/Requiem, WAGNER/Symphonic excerpts from "Ring"*
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Nina Stemme*, Kristin Lewis(Sop)
Violeta Urmana(MS), Piotr Beczala(Ten)
Ildar Abdrazakov(Bas)
Philppe Jordan/
Orchestre et Choeur de l'Opéra national de Paris
ERATO/9341402 9, 9341422 7



同じ、WARNERが買収したレーベルでも、EMIの場合はロゴはもちろんのこと、どこを見ても「EMI」という文字は全く見当たらないというのに、ERATOでは、きちんと「Erato/Warner Classics」というセクションに収まっているのですから、なんか不公平ですね。でも、これはやはり今まではVIRGINだったもの。
そんなERATOから、フィリップ・ジョルダンが指揮をしたパリオペラ座管弦楽団のCDが立て続けに2枚リリースされました。オペラ座だけあって、それはヴェルディとワーグナー、もちろん、録音されたのはその両方に縁のある、今年2013年です。ところが、データを見てみると、ヴェルディは6月10日と11日のバスティーユ・オペラでのライブ録音、そしてワーグナーはその翌日の12日を初日とした3日におよぶ、こちらは「サル・リーバーマン」という、バスティーユでオーケストラのリハーサルに使われているホールでのセッション録音なのでした。なかなか充実したスケジュールですね。
いずれにしても、2009年からパリオペラ座の音楽監督を務めているジョルダンですから、このレパートリーはちょっと興味があります。まずはワーグナーの「リング・ハイライト」から。実は、ジョルダンは2010年から2013年までの間に「リング」のツィクルスを演奏したばかり、これは、ガルニエでは昔はやったことがあっても、バスティーユで上演されたのは初めてという演目だったのだそうです。そんな、まだ湯気が立っているような「リング」から、単独でオーケストラのコンサートでも演奏されるような部分を集め、最後だけはソプラノのニーナ・ステンメを呼んで「黄昏」のエンディング、という趣向です。
つまり、最後だけはオリジナルなので、最初も「ラインゴルト」の前奏曲から始まります。実は、この部分は、iPhoneの「Shazam」という、どんな曲でも、聴かせるだけで即座に演奏家まで教えてくれるアプリの性能を確かめるために、最近家中にある「リング」のCDで聴きまくったという個所なものですから、もう耳にタコが出来るほどになっていました(もちろん、Shazamくんは全部判別できました)。ところが、このジョルダンの演奏は、それらのものとは全く違っていたのです。まるで世界の始まりのように思える低音から始まるホルンのアルペジオの音形が、全然「荘厳」ではないんですね。それは、ゆったりと流れていってほしいものが、時折立ち止まって周りの音と寄り道をしているようにすら聴こえます。なんか、ジョルダンのワーグナーはとても不真面目で、ほとんど冗談にしか聴こえません。
一番の違和感は、「ワルキューレの騎行」などで出てくる「タンタタン」というリズムの扱いです。ジョルダンは、これを本気で跳ねているんですね。まるで踊りを踊っているように。ワルキューレたちが軽やかにダンスをしている光景が、この第3幕の前奏曲から見えてくるというのは、とても異様です。最悪なのは「ジークフリートの葬送行進曲」。これが、まるで運動会の「行進曲」のように聴こえてしまっては、おしまいです。
気を取り直して、ヴェルディの「レクイエム」を聴いてみましょうか。最初のうちは合唱のひどさにガッカリさせられます。やたらハイテンションでハーモニーなんて無いも同然、ひたすら叫びまくっている「Dies irae」などは、そもそもテンポが速すぎて弦楽器がついていけてません。しかし、しばらく聴いていると、そんな騒々しさが、なぜかヴェルディには似つかわしく思えてきます。最初はか細い声で、いったいどうなることかと思っていたソプラノのソリストも、「Libera me」では見違えるようなたくましさに変わっていましたよ。なんとも不思議な演奏ですが、こちらはワーグナーとは違って最後には楽しめるようになりました。

CD Artwork © Warner Music UK Ltd.
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by jurassic_oyaji | 2013-11-29 08:37 | オーケストラ | Comments(0)