おやぢの部屋2
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MAHLER/Symphony N0.2
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Miah Persson(Sop)
Sarah Connolly(MS)
Benjamin Zander/
Philharmonia Chorus(by Stefan Bevier)
Philharmonia Orchestra
LINN/CKD 452(hybrid SACD)




1996年に録音された「9番」からTELARCレーベルで始まったベンジャミン・ザンダーとフィルハーモニア管弦楽団とによるマーラー・ツィクルスでは、2004年録音の「1番」までに6曲がリリースされていました。しかし、このレーベル自体が身売りされるということもあって、しばらくそのリリースは中断されていたようでした。それが今回、レーベルをLINNに変えて、2012年に録音された「2番」が発売されました。これは、以前「ボストン・バロック」の時に見たのと全く同じ「移籍」のパターンです。録音スタッフは、もちろんかつてTELARCの社員だったエンジニアが作った「5/4 Productions」のメンバーです。しかし、なぜかジャケットのアートワークはTELARCそっくり。
そんな、まさに新天地で伸び伸びと仕事ができることの喜びが伝わってくるような、録音も演奏もとても素晴らしいSACDです。まず録音面では、往年のTELARCサウンドが、新しいフォーマットでさらにグレード・アップしたようなものすごいものも聴かせてくれています。しっかりした低音の上に、くっきりとした音像を持つ楽器群が散らばっている、というような印象でしょうか。その解像度の高さは、合唱団員一人一人の声までも聴こえてくるほどです。ピアニシモの繊細さから、大音響の炸裂までをカバーするダイナミック・レンジの広さも、格別です。
そして、演奏。実は、ザンダーのマーラーは今回初めて聴いたのですが、なんともしなやかなその演奏には、文句なしに惹かれてしまいました。第1楽章では、ダイナミックな部分と穏やかな部分との対照がとてもはっきりしていて、それが曲の構造をとても分かりやすく伝えてくれています。特に、その穏やかなテーマの歌わせ方が絶品ではないでしょうか。ちょっと恥ずかしくなるようなアゴーギグを堂々と見せつけてくれますから、いままでスルーしがちだったそんな部分にも、しっかり耳が付いて行ってしまいます。
第2楽章は、まさにこの演奏の白眉のように思えます。それは、最初のテーマで、アウフタクトと次の小節の頭の音との間になんとも絶妙な「間」をとることによって、その部分の「grazioso」という楽想が見事に表現されているのを皮切りに、もう「優雅」の限りを尽くした大技・小技の連発です。まさにとろけるようなマーラーがおなか一杯に味わえますよ。
第3楽章では、冒頭のティンパニの「2発」でまず極上のTELARCサウンドの世界へ誘われます。そのあとの力が抜けた音楽も、ザンダーの真骨頂です。もちろん、ここは切れ目なく次のコノリーのソロへとつながります。この緊張感あふれる歌い出しを聴けば、某所で行われた、この楽章の切れ目に合唱団をドヤドヤと入場させることが、いかに常軌を逸しているかが分かるはずです。それを許した○森○親に、マーラーを演奏する資格はありません。
気を取り直して、最大の長丁場の第5楽章です。ここでのザンダーは、この楽章のクライマックスを、とても綿密に設計したうえで、それを慎重に組み立てているように思えます。その場限りの盛り上がりを作ることは決してせず、あくまで最後の頂点を目指して、一見さりげなく見えるような小さなピークを、とても丁寧に積み上げて行っているのですね。ですから、聴いているものは無意味な煽りに騙されることなく(そういうことをやりたがる指揮者の、なんと多いことでしょう)きっちりと目的地までの旅を楽しむことが出来るのです。
その終点は、言うまでもなく合唱の加わった部分です。これだけの道のりの末に現れるその合唱は、ほとんど理想的な形で表れてくれました。「ほとんど」というのは、もう1ランク、繊細さが伴っていれば、という意味ですが、そこまで欲を張らなくとも、これだけのものであれば十分ですよ。見事です。

SACD Artwork © Linn Records
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by jurassic_oyaji | 2013-12-17 22:45 | オーケストラ | Comments(2)
Commented by リッパ― at 2013-12-18 16:35 x
こんにちは。

演奏・録音とも素晴らしいですね。自分はLinnのサイトからPCM 192kHz 24bit を購入しました。

ところで、TELARCのころのザンダー氏のマーラーには解説CDが付いていましたが、LinnのSACDには収録されているのでしょうか?

もし収録されていないのであれば、Linnサイトで0ドルで販売(?) されています。単独で購入できるのかはわかりませんが、ご参考まで。


ところでテラークのころ、
Commented by jurassic_oyaji at 2013-12-18 19:38
リッパーさん、コメントありがとうございます。
SACDには、解説CDは付いてませんでした。
コメントの続き、お待ちしています。