おやぢの部屋2
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MOZART, VERDI/Requiem Experience
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Soloists
Nikolaus Harnoncourt/
Arnold Schoenberg Chor
Concentus Musicus Wien
Wiener Philharmoniker
SONY/88843010499(BA)




BAってなんだ?」とおっしゃるかもしれませんね。ブルーレイ・ディスク(BD)に映像データではなくハイレゾのPCMなどの音声データのみを収録した音楽メディアの呼称に関しては、どうやら「ブルーレイ・ディスク・オーディオ」ではなく、単に「ブルーレイ・オーディオ」と言おう、という動きに一本化したのではないかと思われる昨今なので、今まで「BDオーディオ」と表記していたものを「BA」に改めようということなのです。単に「BD」という時には映像ソフト、「BA」は音声ソフトのことだと思ってください。分かりやすいでしょ?
ハイレゾの音声データの配信に呼応するように、最初は割とマイナーなレーベルから始まったBAのリリースですが、UNIVERSALというメジャーの一角が積極的にBAを手掛けるようになったと思っていたら、ついにSONYがおそらく最初のBAとして、こんなものをリリースしました。ちょっと特徴的なのは、今までのものが素直にCDで出ていたタイトルをそのまま同じジャケットでBAに置き換えるというものだったのが、こちらの場合はしっかりBAに特定したアートワークで迫っていることです。
まず、アルバム・タイトルが「Requiem Experience」という意味不明なものになっています。これは、「BAによって、レクイエムを音楽、オーディオの両面からハイレゾで味わうというめったにない体験をしてみたら?」ということなのでしょう。ジャケットも、そんなコンセプトに沿った、いかにもキラキラな音が聴こえてきそうな感じに仕上がっていますね。
収録されているのは、SONYというよりはかつてのBMGのアーティストだったアーノンクールが演奏したモーツァルトとヴェルディの「レクイエム」です。モーツァルトの方は2003年に録音されて2004年にDHMからリリース、ヴェルディ2004年に録音されて2005年にRCAからリリースされたものです。この頃になると、すでにBMGSONYと「合併」はしていましたが、まだ「買収」まではされてはいませんでした。
不思議なことに、このジャケットには、トラックリストや演奏メンバーなどはきちんと表記されているものの、録音時のクレジットがどこにもありません。いや、よく見てみるとヴェルディでのソプラノ・ソロの名前が見事に抜けていました。これだけしか持ってない人にとっては、この、ちょっと頼りないソプラノが誰なのかは全く分からないことでしょう。そんな、ただ単にBAのすばらしさを「体験」してもらうためだけに作られたアルバムであることが、こんな扱いで端的にわかってしまいます。というか、これが買収されたレーベルの「末路」というやつなのでしょうか。
そもそものアルバムは、SACDでリリースされていました。しかし今回は、よりBAのすばらしさが分かるようにあえてノーマルCDが一緒に梱包されています。案の定、このBAを聴いてしまえば、いかにCDの音がおとっているかが如実に分かってしまうというという、これは見事な比較の対象となっています。うまい具合に、1枚目のモーツァルトの最後にヴェルディの1曲目を入れてしまえば、この2つの大作が2枚のCDに収まってしまいますし。
でも、そんな最初から結果が分かっているものではなく、SACDBAではどうなのか、というあたりを知りたいじゃないですか。そこで、せっかくなので、手元のSACDと聴き比べてみました。その結果、軍配が上がったのは予想通りBAの方でした。予想の根拠は、BAのスペックが24bit/48kHzだということ。おそらくこれがマスターのスペックなのでしょうが、これをDSDに変換するというのは、ショルティの「指環」と同じケース、まさにあの時と同じ結果になりました。
具体的には、モーツァルトの出だしの弦楽器のしなやかさが違いますし、続くバセットホルンの音色も、SACDではちょっと不自然。ヴェルディの「Dies irae」では、ピッコロの音がBAではきちんと分離して聴こえるのに、SACDでは埋もれてしまっています。

BA Artwork © Sony Music Entertainment
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by jurassic_oyaji | 2013-12-25 21:26 | 合唱 | Comments(0)