おやぢの部屋2
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レ・ミゼラブル
 映画の「レ・ミゼラブル」を劇場で観たのは去年の2月でしたが、それがもう去年の暮れにはWOWOWで放送されていました。最近、この局では本当に見たいと思えるような映画があまり放送されないような気がしていたので、もうそろそろ契約を打ち切ろうかな、いや、ドラマもやってるし、METのオペラも一応定期的にやってくれますから、それはまだ我慢した方がいいのかな、などと考えているところでしたから、これは待っていてよかったと思いました。1年も経たないのにもちろんHDで放送してくれるのですから、BDを買うよりずっとお得ですからね。
  それで、何度も再放送をやっているうちの一つを録画して、あとで見ようとBDに焼いておきました。同じ頃に、こちらはステージでやった最新のライブの模様も放送されていたので、そちらも見なければいけませんからね。これは、なんでも初演から25年ということで、その記念にアリーナクラスの大きな場所で「コンサート形式」で上演されたものでした。同じようなので、「オペラ座の怪人」というのもありましたね。
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 これは、そんな大きなところでやるのだからさぞや大味な仕上がりになっているのだろうと多寡をくくっていたら、とても素晴らしいものでした。オーケストラをステージの上にあげて、その前で衣装を着たキャストがマイクの前で歌うというやり方です。一応セットも組んであって、キャストたちも最小限の演技を行っているのは、まさにオペラの「コンサート版」のような感じです。まず、それぞれの歌手が、とても素晴らしいのですよ。正直、映画を観た時にはステージでは絶対に味わえないスケールの大きさには驚かされたものの、肝心の歌があまり感心できないものだったのですね。まあ、それはある程度仕方がないものだとは思いましたが、現実にこんなに素晴らしく歌われているものを聴いてしまうと、やはりこれが本来のレベルなのだな、と思ってしまいます。このミュージカルの、本当の味を、ここで初めて知ったような気がしましたね。
  そして、録っておいたBDを見てみると、やはり大スクリーンで見てしまったあとでは、その壮大さはなかなか伝わっては来ませんでしたね。音も、前に書いたように、BSの音質はかなりひどいものであることが分かってしまいましたから、映画館の音に比べたら(あの時には、かなり欠点も目立ちましたが、それでも)全くがっかりするようなものでしかありませんでした。
  そこで改めて聴いた歌も、なんだかいずれもさっきのステージの物に比べると格段にレベルが下がって感じられてしまいます。歌ではなく、演技で見せようとする姿勢が買ってしまっているのですね。あれほど素晴らしいと思っていたアン・ハサウェイの歌も、たしかに演技としてはとても感動的なものはありますが、改めて音楽を聴くと、到底ステージで聴けるようなものではなかったことに気づいてしまいます。
  確か、あの映画を作る時には、同時録音にこだわったようなことが、あちこちのメディアで語られていましたね。その点についてもBDを見ながらチェックをしていたのですが、確かにかなりの部分で、撮影の時に歌ったものをそのまま収録していたようなところが見られました。それは、演技としてのリアリティを出すという点ではは間違いなく成功していたとは思うのですが、やはりそうなってくると肝心の音楽が少し妥協を強いられるところもあったのではないか、という気がしてしまいます。結局、映画としてのミュージカルに何を求めるのか、という点が問われるのでしょう。少なくとも、私の場合は、音楽を犠牲にしてまで、リアリティを追及してほしくはないな、と思いますがね。

by jurassic_oyaji | 2014-01-08 01:11 | 禁断 | Comments(0)