おやぢの部屋2
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MAHLER/Symphony N0.8
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H. Harper, L. Popp, A. Auger(Sop)
Y. Minton,H. Watts(Alt)
R. Kollo(Ten), J. S.-Quirk(Bar), M. Talvela(Bas)
Georg Solti/
Wiener Staatsopernchor, Wiener Singverein,
Wiener Sängerknabenn
Chicago Symphony Orchestra
DECCA/478 5006(BA)




1971年にウィーンのゾフィエン・ザールで録音されたショルティ/シカゴ交響楽団のマーラーの8番が、BAになりました。このツィクルスの中でも白眉と言える演奏と録音の仕上がりだったはずのものです。もちろん、レーベルはDECCAです。そのDECCAを統括するUNIVERSALBAのリリースには積極的なのはでっか(めっちゃ)うれしいことです。
最初に出たときはもちろんLPでしたが、当然2枚組でした。ということは、最後までは3回盤面、あるいは盤そのものを交換する部分が出てくることになりますが、その最後の変わり目、つまり2枚目のB面は「マリアをたたえる博士」の「Blicket auf」というソロから始まっています。そこから曲の最後までは1130秒しかかかりませんから、片面でたったそれだけというのはかなりぜいたくなカッティングということになります。とは言っても、その最後の部分はオーケストラ、ソリスト、合唱が混然一体となって超盛り上がりますから、このぐらい余裕を持たせないと肝心の部分の音がしょぼくなってしまいますね。
このLPを買った時は、なんせ長い曲ですし、いちいち裏返すのも面倒くさいので、この2枚目のB面だけを繰り返し聴いていたものでした。ルネ・コロが歌う最初の歌詞が「い~げた」と、仙台にあるお茶屋さんの名前のように聴こえていたのはご愛嬌、その正式なドイツ語を知ったのは、かなり経ってからでした。そのリリカルな歌に続いて現れる合唱の質感、そして最後に迎えるとてつもないクライマックスを、何度となくその度肝を抜かれるような録音で堪能していました。
やがてこのLPCD化され、途中で盤をひっくり返さなくても最後まで聴けるようになったものの、そこからはかつてLPでは味わえた血がほとばしり出るような生々しさは全く味わうことができませんでした。すでにそのあたりで、CDのスペックにはそれとは知らずに限界を感じていたのでしょう。それが、やっと24/98のハイレゾで味わうことが出来る日がやってきました。ハイレゾデータそのものはすでに配信されてはいたのですが、やはりこういうものは「フィジカル」で持っていたいものです。確かに、このBAに添付されていたブックレットには、ケネス・ウィルキンソン+ゴードン・パリーという、夢のようなエンジニアに加えて、使われた録音機材までもがしっかりクレジットされていましたからね。もちろん、それらはすでに知っていたことばかりですが、このように「紙」の上に印刷されていることが、なんたって重要なのです。
手元には、最新のCDとして、2011年にリリースされたボックスに含まれていたもの(478 3200)がありました。
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一見オリジナルジャケットのようでいて、下の部分のテキストがCDサイズ用に少し拡大されています。ただ、もっと前のCDと比べても全く同じもののように聴こえるので、マスター自体はそのあたりのものなのでしょう。これと今回のBAとは、同じ個所にトラックナンバーが入っていますから、それぞれの場面で逐一比較をすることが出来ます。その違いは、まさにドラマティック。新しくトラックの頭を聴き合うと、それぞれのメディアは、全く予想通りの音を聴かせてくれていたのです。合唱の存在感、ソロ・ヴァイオリンの肌触り、金管の滑らかさ、ソリストの生命感、いずれをとっても別物です。ただ、いかに「神様」が二人も録音に携わっていたとしても、この巨大な音の塊の全てを完璧にテープに収めるのは至難の業だったはずです。とくに、合唱でそのあたりの破綻が見られるところが多々あるのですが、CDではそれがもろに不快な音場として迫ってきます。対してBAでは、それがアナログ録音の可能性をギリギリまで追求した結果として、温かく見守れるものに変わります。あのLPの生々しさは、見事に蘇りました。

BA Artwork © Decca Music Group Limited
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by jurassic_oyaji | 2014-01-16 23:28 | オーケストラ | Comments(0)