おやぢの部屋2
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「展覧会の絵」の各種スコア
 きのうは木管のパート練習で「展覧会の絵」を集中的に練習しましたし、今日になったら、その「展覧会」のモチーフがメインになっているチラシのデザインをそのままFacebookのカバーに仕立てたものが届きました。ニューフィルのページでご覧になれますので、そのカッコよさを体験してみてください。
 そんな「展覧会」のモードは、楽譜でもさらに盛り上がっています。この間Eulenburg版を入手して、その完璧な校訂に驚いたということを書きましたが、その後のリサーチでB&Hの方でも、最近(2002年)新しく校訂された楽譜が出ていたことが分かったので、それを注文したら、すぐに届きました。その他、茂木大輔さんのブログでもこの辺の情報があったりして、なんだか整理しきれない状態になっています。とりあえず、パッと見て面白そうなところをご紹介しておきます。
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 手元にあるのは、実際に販売されていたこの3種類の楽譜(左からEulenburg、B&H旧版、B&H新版)と、ネットでPDFを入手したもう一つのB&H旧版です。茂木さんのサイトによると、最初に西側で出版されたのがこの写真のスタディ・スコアだったのですが、その後指揮者用の大判スコアも出版、その際には全く別の版が組まれていました。新版では、その大判スコアが版下になっていて、部分的に改訂されているという、ブルックナーの楽譜のようなことが行われています。
 その4種の楽譜は、それぞれ細かいところで違いがあるのですが、それがよく分かるのが「リモージュ」のこの練習番号68の部分です。
■B&H旧版スタディ・スコア
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■B&H旧版大判スコア
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■B&H新版
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■Eulenburg版
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 オーボエとクラリネットのスラーの場所が、みんな違っています。
 前回、「ラヴェル版の決定的な間違い」と指摘した部分が、これです。これは「キエフ」でのB&H旧版の練習番号119の直前。赤枠で囲った部分の中で、実音A♭の音は、ピアノ版ではA♭♭になっています。ですから、この赤枠の1小節前から始まる4小節間では、本当は「A♭→A♭♭→G♭→F」という、とてもカッコいい半音下降の進行が聴こえるはずなのですが、ここでは「全音→半音」という中途半端なことになっています。
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 それが、Eulenburg版ではきっちり音符が訂正されています。
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 さらに、B&H新版では、音はそのままですが、注釈で「ピアノ版ではA♭♭である」という記載があります。
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 もう一つ、「キエフ」の大詰めでは、茂木さんのブログでは触れられてはいませんでしたが、B&H旧版での曖昧な表記が、不思議な演奏を生んでいました。練習番号120からです。まず、その「不思議な演奏」を聞いてみてください→音源(問題はバスドラム。PCのスピーカーでは聴こえないかもしれません)
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 これは、この楽譜通りに演奏したものです。赤枠のバスドラムのパートは、この楽譜だと2/2になっていますから、金管や弦楽器が3/2で演奏している中で「リズム通り」に叩くと、この音源のように間違えたように聴こえてしまいます。普通の指揮者は、ここはバスドラムも3/2に変わっていると判断して、他の楽器と合わせています。
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 ですから、Eulenburg版では、そこをきちんと表記しています。
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 さらに、B&Hでも、新版ではきちんとこのようになっていますよ。
 ということは、さっきの音源のような演奏は、「楽譜通り」でもなんでもない、ただ印刷のミスを真に受けただけのなんとも間抜けなものでしかなかったのですね。これは、ゲルギエフとウィーンフィルによる2000年の録音(PHILIPS→DECCA)でした。そのあと、2008年には、ヤンソンス指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管(RCO)が、同じようなことをやっていましたね。
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by jurassic_oyaji | 2014-01-29 22:53 | 禁断 | Comments(0)