おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
BACH/Christmas Oratorio
c0039487_20555492.jpg
Kathrine Watson(Sop), Iestyn Davies(CT)
James Gilchrist(Ten), Matthe Brook(Bas)
Stephen Layton/
The Choir of Trinity College Cambrigde
Orchestra of the Age of Enlightenment
HYPERION/CDA68031/2




一時期SACDも出していたHYPERIONですが、最近は全く見かけないようになってしまいました。これは、パッケージはあくまでCDで通して、ハイレゾを希望する人にはサイトからのダウンロードをお願いする、という方針になったからなのでしょう。確かに、ここの配信ソースのカタログはかなり充実しているようで、今回の「クリスマス・オラトリオ」のような新譜も、すでにデータが購入できるようになっています。ブックレットもしっかりPDFで手に入るようですし、こうなると最初からダウンロードでもいいかな、という気になってきますね。ただ、提供されているデータのスペックが、24bit/88.2kHzという、あまり一般的ではないものなのが気になります。それと、これはどこでも同じですが、リニアPCMWAVではなく、FLACALACといったロスレス圧縮音源しかないのも、選択肢が限られていてちょっと気に入りません。
ただ、おそらくこのCDはタイトル曲に合わせて12月ごろにはリリースされたのでしょうが、なんとも理不尽な流通経路のおかげで、日本で入手できたのはもう年を越してからだという、間抜けなことになってしまいました。配信であれば、そんな障害は全く関係なく即座に入手できるということになりわけですから、まあ、そのあたりが最大のメリットなのでしょうね。
つまり、この録音は、去年の1月10日から14日の間に録音されているので、充分にその年のクリスマス・シーズンには間に合うスケジュールで製品を提供できるはずなのですよ。そしてこの録音のデータからは、ブックレットには何も書いてありませんが、おそらくこのメンバーによっておととしの1225日から、去年の1月6日まで実際にクリスマスの礼拝として録音会場であるトリニティ・カレッジのチャペルで演奏されていたことがうかがえます。ある意味、リアルタイムの「ゲネプロ」を終わらせて、その熱気のままに録音が行われたような気がするのですが、どうでしょう。
レイトンのバッハとしては、最近「ヨハネ」を聴いていました。確か、それは初めて聴く彼のバッハだったはずです。その時には、他の作品の録音に接した時のレイトンの芸風がそのまま反映された、密度の高い演奏が繰り広げられていたような記憶があります。
今回は、同じバッハでも「ヨハネ」とは大きく印象が変わっていました。それは、まず合唱団はその時の「ポリフォニー」ではなく、「トリニティ・カレッジ合唱団」になっていたことが最大の要因なのではないでしょうか。オトナの合唱団である「ポリフォニー」とは異なり、基本的にケンブリッジ大学の学生がメンバーであるこの合唱団は、ソプラノあたりの声にはまだきっちりナイーブさが残っていますから、サウンド的にはとてもピュアなものが伝わってきます。おそらく、それはレイトンのねらったところなのでしょう、その布陣によって(「婦人」ではなく「少女」を使うことによって?)前回の「キリストの受難」と今回の「キリストの生誕」というテーマの違いを、ここでは見事に受け取ることが出来ます。つまり、ハイテンションで押しまくるという芸風は、必ずしもレイトンの本当の姿ではなく、合唱団が変わればこんな穏やかな表現も出来るのだということなのでしょう。ちょっと物足りないような気もしますが、まあ「クリスマス」にはそれもふさわしいかな、と。
エヴァンゲリスト役で、もちろんアリアも歌っているテノールのジェイムス・ギルクリスト(すごい名前ですね)は、並はずれたコロラトゥーラのスキルに感服させられます。カウンターテナーのイエスティン・デイヴィスも、初めて聴きましたがなかなかの逸材ですね。怪しい色っぽさを漂わせているあたりが、魅力的です。ソプラノのキャスリン・ワトソンもクセのない声、ただ、バスのマシュー・ブルックだけは、何か集中力が欠けているようで楽しめませんでした。

CD Artwork © Hyperion Records Limited
[PR]
by jurassic_oyaji | 2014-02-11 20:57 | 合唱 | Comments(2)
Commented by リッパ― at 2014-02-12 19:05 x
こんばんは。

データのスペックが、24bit/88.2kHz とのこと。96kHzを採用する場合の方が多いようですね。大抵のDACは両方をサポートしていますし音質も違いがないと思います。

CD 44.1kHzにダウンサンプリングすることを考えると、88.2kHzで録音するほうが合理的ですし音質的にも有利かと思います。
DSD録音の場合も、2.8224MHz=88.2kHz×32と整数倍になるので相性が良いように思います。

FLACやALACはリニアPCMの可逆圧縮ですので、WAVに変換すれば同じです。WAVファイルをダウンロードするより速くできるので良いのではと思います。
Commented by jurassic_oyaji at 2014-02-12 19:45
リッパーさん、コメントありがとうございました。
録音の現場では、96kHzが多いようですね。