おやぢの部屋2
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MOZART/Requiem


Larsson(Sop), von Magnus(Alt)
Lippert(Ten), Peeters(Bas)
Simon Schouten/
Ensemble Lyrique
PREISER/PR90670



輸入CDのレビューで困るのは、演奏者の読み方が分からない時です。たとえ英語であっても、法則などの通用しない特別な読み方をする場合がありますから、油断は出来ません。「Maazel」を「マゼール」と読んだりするのは、かなり勇気がいることだとは思いませんか?ちなみに、「Renée」という名前は、「ルネ・フレミング」のように、「ルネ」という発音が実際の音に近いものなのですが、映画の世界では同じスペルでも「レニー・ゼルウィガー」のように「レニー」という、アクサンを無視した乱暴な読み方が通用していたりします。「Halle Berry」も、「ハル・ベリー」ではなく、「ハリー・ベリー」が正しいことが最近になってようやく知られてきたとか。
馴染みのある英語でさえ、このぐらいの「誤読」があるのですから、オランダ語などになったらとても手が付けられません。今回の指揮者の名前も、輸入業者の資料を見て初めて「スハウテン」というダイエット食品みたいな読み方だと知ったぐらいですから(それは「トコロテン」)。ただ、これも全面的に信用することは極めて危険です。かつて、やはり同じオランダの演奏家のモーツァルトのレクイエムが出た時も、CD店のコメントに書いてあった読み方を採用したら、別のところでは全く違う読み方だったということもありましたので。
とりあえずのスハウテンさん、ご自分が指揮者とクレジットされたアルバムはおそらくこれが初めてなのでしょうが、だいぶ前からトン・コープマンの「右腕」として、合唱の指導に当たっていたという実績があるそうです。リサ・ラーション(これも、読み方が難しい)などの、コープマン・プロジェクトの常連が参加しているのは、そのあたりの人脈なのでしょうね。
「アンサンブル・リリック」という団体名は、スハウテン(とりあえず)が1999年に自ら創設した、オリジナル楽器のアンサンブルと、小規模の合唱団の総称として使われています。それぞれのメンバーは、スハウテン(とりあえず)が個人的によく知っている人ばかりを集めたということで、ある意味、指揮者のやりたいことに極めて敏感に反応できる演奏集団を目指しているのでしょう。確かに、その成果は見事な形で演奏に現れていることはすぐ分かります。オーケストラと合唱が一体となった緊密な表現を、あちこちで聴くことが出来ます。ただ、それは良くも悪くも指揮者の趣味がそのまま反映されるということになるわけで、彼のかなりアクの強い歌わせ方には、正直なじむことは出来ません。そんな中で「Lacrimosa」だけは、その趣味がたまたま良い方向に向いたのか、ちょっと凄い演奏になっています。イントロのヴァイオリンの緊張感あふれる響きからして、それまでの音楽とは別物、合唱も最初から最後まで集中力が切れることはありません。
問題は、合唱だけの時にはそこそこ緊密な音楽が聞こえてくるのに、ソリストが入ったとたん、その張りつめたものが無惨にも壊れてしまうことです。ラーションがこんなにリズム感が悪いのも意外ですが、テノールのリッパートは最悪。「Tuba mirum」では、ライブということもあってオブリガートのトロンボーンもちょっと、なのですが、その2人の危なっかしい絡みには笑う他はありません。4人のアンサンブルも、それは悲惨なものです。
カップリングの「聖母マリアのためのリタニア」では、さらにコンディションが悪かったのでしょうか、ソリストのアンサンブルの酷さはまさに耳を覆いたくなるほどでした。つくづく、こういう編成の曲の難しさを思い知らされます。
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by jurassic_oyaji | 2005-06-29 19:57 | 合唱 | Comments(0)