おやぢの部屋2
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MAHLER/Symphony No.2(arr. for small orchestra)
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Marlis Petersen(Sop)
Janina Baechle(MS)
Gilbert Kaplan/
Wiener Singakademie(by Heinz Ferlesch
Wiener Kammerorchester
AVIE/AV 2290




かつては「マーラーの『復活』しか指揮のできないアマチュア指揮者」と、ほとんど奇人・変人扱いされていたギルバート・キャプランも、国際マーラー協会のお墨付きを頂いた楽譜を出版するようになるころには、もはや押しも押されもせぬマーラー指揮者として認められるようになっていました。もちろん、演奏するのは相変わらず「復活」だけですが、それもいいんじゃないでしょうか。まさに「一芸に秀でる」というやつですね(「一様に禿てる」じゃないですよ)。
おそらく、キャプランはこの曲が大好きでしょうがないのでしょう。とことん「復活」を正しい姿で世に送り出したいという願いのために、世界中から資料を集めたり、そんな風に楽譜の校訂までやってしまったに違いありません。そこまでやってしまった後に彼が企てたのは、きっと、この曲をもっと多くの人たちに演奏してもらいたい、ということだったのでしょうね。何しろ、この曲は基本4管編成の上に大編成の合唱団やバンダが必要という大規模なものですから、プロのオーケストラでもなかなか演奏するのは大変です。ましてや、地方のアマチュア・オーケストラなどでは、まず演奏が不可能な状態なのですからね。
そこで、いっそ、編成を小さくした楽譜を作ってしまおうとキャプランは考えました。そうすれば、自分が大好きなこの曲を、どんな田舎の人でも地元で自分たちの手で演奏することが出来るようになるじゃありませんか。まあ、そうすればおそらく演奏される機会は桁外れに増えるはずですから、楽譜のレンタル料で大もうけできるだろう、というビジネスマン根性も働いたのだろうといううがった見方も出来なく無ないでしょうがね。
何はともあれ、キャプランはロブ・マティスと協力して、そのような楽譜を作り上げました。マティスという人は、主にポップス畑で活躍している作曲家/アレンジャーですが、キャプランに負けないほどの「マーラーおたく」なのだそうです。
実際には、マーラーのスコアはパート内の人数が多くても、それだけの声部があるわけではなく、多くの部分で人を重ねているだけの状態ですから、人を減らす分にはそんなに問題はないはずです。ほんと、特にフルートでは現在はマーラーの時代よりも楽器の性能が高まっていますから、吹いていてなんでソロにしないのだろうという「無駄なユニゾン」がたくさんあることを実感します。さらに、バンダだって掛け持ちで出たり入ったりすればたぶん大丈夫でしょう。
その結果、オリジナルのスコアでは管楽器と打楽器を合わせて50人必要だったものが、たった22人で済むことになりました。これは、この曲の第1楽章のプロトタイプである「葬礼」で必要な25人とは、それほど違っていませんし、ベートーヴェンやブラームスの交響曲に比べたら十分に大人数です。そして、弦楽器もマーラーは指定していませんが本来なら18型(18+16+14+12+10=70人)のところを、この録音では10+8+6+6+4=32人で済ましています。合計すると、120人だったものが52人になるという、大幅な「リストラ」ですね。
もちろんキャプラン自身が指揮をしたこの世界初演となる「小編成版」の録音では、果たしてどのように聴こえることでしょう。正直、なかなか健闘しているな、という気はしました。とりあえず、必要なだけのものはしっかり聴こえてくるのですよ。ただ、録音が、やたらと音圧を上げているような感じで、何とか少ない人数を多く見せよう(聴かせよう)という意図がミエミエなんですよね。生で聴いたらスカスカに感じてしまうかもしれません。マーラーの場合は、本当は「人数が多くないとできない音楽」なのかもしれません。キャプランだったらそんなことは百も承知だったはずなのに。
合唱は、表記はありませんがおそらく50人ぐらいなのでしょう。これはこれで、ピュアな味がよく出ていましたね。

CD Artwork © Kaplan Foundation
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by jurassic_oyaji | 2014-02-15 20:24 | オーケストラ | Comments(0)