おやぢの部屋2
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BEETHOVEN/Symphonies 7&8
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Giovanni Antonini/
Kammerorchester Basel
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アントニーニとバーゼル室内管弦楽団とのベートーヴェンの交響曲は、最初はOEHMSレーベルからリリースされていました。1番と2番がカップリングされたアルバム2005年にSACDとして出たのですね。1番は2004年、2番は2005年の録音でした。なかなか勢いのある演奏だったので、続編を楽しみにしていたのですが、それ1枚きりで終わってしまった・・・と思っていたら、実はレーベルがSONYに変わって、その後もコンスタントに2~3年おきに番号順に録音を重ね、すでに「3/4番」と「5/6番」をリリースしていたのでした。今回この「7/8番」が出て、やっとそのことに気付いたというわけです。マイナー・レーベルはいつもチェックしているのですが、最近のメジャー・レーベルは最初からスルーしていますから、見逃してしまったのですね。
ただ、レーベルが変わったと言っても、これは良くある単にディストリビューターが変わったというだけのことで、製作スタッフは全く同じですし、故アバドの最近の映像でおなじみのルツェルンのホールでのセッション録音というスタイルも変わっていないようです。なにはともあれ、この2010年に録音された「7番」と、2012年に録音された「8番」によって、彼らの刺激的なツィクルスにまた参加できることになりました。
しかし、SONYでの1作目まではOEHMS時代と同じSACDだったものが、2作目からはノーマルCDになってしまったというあたりが、変化と言えるかもしれません。そのあたりも、チェックする必要はあるでしょう。
10年近くのブランクを経て再会した彼らの演奏は、とても自信に満ちたものでした。実際には、メンバーはかなり入れ替わっているようですが、それにもかかわらずアントニーニのやりたいことがしっかり浸透し、それが受け継がれているのでしょう。「1番」あたりではちょっと気になっていたいかにも借り物のような不自然な表現はもはや見られず、確固たるスタイルを築き上げて、それを元に突き進んでいるように思えます。これはかっこいいですよ。
基本的に、モダン楽器を用いながらピリオド楽器に限りなく近づいた表現を行うというのが、彼らのやり方です。弦楽器の人数も、初期のものでもこの頃のものでもほとんどサイズを変えず、あくまで「室内オケ」としてのベートーヴェン演奏という姿勢を貫いていて、小編成ならではの小気味の良い表現が随所に見られます。
「7番」では、第2楽章のちょっとクールな仕上がりがとても魅力的です。深刻にならず、それでいて何か背筋が寒くなるような風景を感じるのは、まるで男声合唱のようによくハモる低弦と、そこにショッキングなパルスを打ち込む金管、そして、対照的に夢見るようなたたずまいを醸し出す木管のせいでしょう。終楽章の、コントロールの枠を外れる一歩手前の疾走感も、素敵です。
それから2年後に録音された「8番」でも、よくあるような、「7番」との対比で少しキャラクターを変えるというような小細工は施さず、演奏はあくまでアグレッシブに迫ります。こちらも第2楽章の極端なダイナミック・レンジの設定は聴きものです。常々しつこすぎるような気がしていた終楽章のエンディングにも、しっかりと必然性が感じられますし。
ただ、録音会場もエンジニアも全く同じなのですが、微妙なマイクアレンジの違いで音がちょっとまろやかなものに変わっているために、少し穏やかな印象を与えられますが、それはおそらくアントニーニが意図したことではないような気がします。
しかし、それまでの「7番」でたっぷりした音圧で聴いている分にはほとんど不満はなかったものが、そんな幾分繊細な音になった時には、もろにCDの限界が感じられてしまいます。これが当初のようなSACDであれば、そんなことはなかったのでしょうが。
次に出るであろう「9番」がとても楽しみです。でも、それがSACDで出ることはまずないでしょうね。

CD Artwork © Sony Music Entertainment
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by jurassic_oyaji | 2014-03-09 20:35 | オーケストラ | Comments(0)