おやぢの部屋2
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WAGNER/Parsifal
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Jonas Kaufmann(Parsifal), René Pape(Gurnemanz)
Katarina Dalayman(Kundry), Peter Mattei(Amfortas)
Evgeny Nikitin(Klingsor), François Girard(Dir)
Daniele Gatti/
The Metropolitan Opera Orchestra, Chorus, Ballet
SONY/88883725729(BD)




ワーグナー・イヤーの2013年2月に、ニューヨークのMETで上演された「パルジファル」の映像です。例によって、ライブ・ビューイングの素材をそのまま商品化したという「2度おいしい」商売の産物です。しかも、おそらくこのBDと全く同じものがWOWOWでも放送されていますから、そちらで楽しむこともできます。とは言っても、放送されたものの音のクオリティはセルBDと比べたらひどいものですから、本当に良い音で聴きたい時には、きちんと商品のBDを買って聴かなければいけません。
それで、本来の姿のライブ・ビューイングの場合はどうなのかを知るために、先日初めて映画館に行ってその映像と音を体験してみました。音に関しては、これはもうひとえにその映画館の設備の良否にかかっているわけですから、一概には言えないでしょうが、その仙台市の映画館の場合は、セルBDにははるかに及ばないものでした。なにしろ、一番期待していたサラウンドに、全く対応できていないのですからね。
ただ、やはり大画面の迫力は、お茶の間の小さなモニターでは決して得られないものでしたから、音にはそれほど期待せずに見に行けば、なかなか楽しめるのではないでしょうか。しかも、映画館の場合は休憩時間も生中継の時と同じようにそのままステージの設営の模様や、客席の様子などを映していますから、まさにリアルタイムで実際に劇場にいる時と同じ時間を共有できますよ。BDでは、インタビューが終わったあとはカットされていますからね。
ライブ・ビューイングを商品化するにあたってのレーベルは、特にMET独自のものではなく、それぞれの演目のメインのアーティストとの契約の関係あたりが基準になって、既存のところに割り振っているのでしょうか。今回は、なんと言ってもカウフマンが目玉ですから、彼が「所属」しているSONYからのリリースとなります。
そんな扱いでも分かる通り、このプロダクションの最大の魅力は、カウフマンの歌うタイトル・ロールでしょう。第1幕の、まだ「愚か者」だった時点での登場場面でも、彼の声が聴こえてくるなりステージ全体がピリッと引き締まるのが分かります。第2幕はもう圧倒的、クンドリー役のダライマンを相手に、思いっきりのフル・ヴォイスの魅力に浸れます。そして、もはや「賢者」となった第3幕では、ソット・ヴォーチェまでも交えての、とても深みのある歌を聴くことが出来ます。
ただ、この演出ではパルジファルがセミヌードになるシーンがあるのですが、そこをカメラがアップでとらえると、思いのほかお腹のあたりたるみがたっぷりあったのには、ちょっとがっかりしてしまいました。ルックス同様、体もしっかり引き締まっていると思っていたのに・・・

でも、おそらくこの演出はカウフマンを想定してのものだったのでしょうから、もっとブヨブヨの、たとえばボータあたりだったら、別のプランに変更するのかもしれませんね。
そんな、鳴り物入りで起用されたジラールの演出は、さすがに映画監督だけあって、映像の使い方が堂に入ってました。ただ、「指環」のルパージュのような合成されたものではなく、おそらく実写の映像がステージのバックに映し出されるという手法で、確かに美しいものではあるのですが、オペラのステージでこれをやってしまうのはちょっと反則っぽいのでは、と感じてしまいます。それより気になったのは、合唱団やらバレエ団でおそらく100人以上にはなっている群衆の扱いです。かなり細かい演技、というか「振り」を要求しているのですが、その出来がイマイチなんですよね。「一生懸命覚えました」という切迫感がミエミエですからね。しかも、その合唱の歌が最悪。
それと、バイロイトでの実績もあるガッティの指揮も、ちょっとオケが付いていけてないようで(前奏曲が、ボロボロでしたから)素直には入りきれないところがありました。

BD Artwork © Sony Music Entertainment
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by jurassic_oyaji | 2014-03-17 20:48 | オペラ | Comments(1)
Commented by desire_san at 2014-04-25 11:42
こんにちは。
私も、オペラが大好きで、METの舞台も何度か見たことがあるので楽しくブログを読ませていただきました。オペラ鑑賞は現実社会と別の次元にもうひとつ自分の社会を感ずることができ、魅了されますね。
私もMETの「ウェルテル」の音楽の特徴や感想などを書いてみましたので、ご意見、ご感想などコメントしてくださると感謝致します。