おやぢの部屋2
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MOUSSOUGSKY/Pictures at an Exhibition
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Fritz Reiner/
Chicago Symphony Orchestra
ANALOGUE PRODUCTIONS/CAPC 2201 SA(hybrid SACD)




SACDは確かにクリアで解像度の高い音を伝えることが出来る、間違いなくCD以上のクオリティを持っているメディアではありますが、必ずしもその特性をフルに発揮しているものばかりではありません。元の録音がCD並みであれば、それはCD並みのものしかできません。さらに、元がアナログ録音の場合は、それがどの程度のマスターテープであるかが問題になってきます。さらに、そのアナログテープからデジタル・ファイルにトランスファーする時の状態も大切です。これこそがまさに職人芸の世界、そもそも、理想的には実際に録音された時と同じテープレコーダーで再生すればいいのでしょうが、今となってはそれも困難ですから、そこには様々なノウハウが必要になってくるはずですからね。
今回、Analogue Productionsというアメリカのレーベルから、RCAの初期のステレオ録音「LIVING STEREO」をSACD化したものが発売になりました。このあたりのものは、今までにもCDSACD、あるいはXRCDなどで何度もリリースされていましたが、なんかこれはそれらのものとはちょっと違う様な気がしました。そもそも、値段がそれらのものよりはるかに高価ですし。
このレーベルでは、もともとは昔のジャズの録音を、マスターテープから新たにカッティングした高品質LPを出していました。そのうち、同じものをSACDでも出すようになったようですね。ただ、レパートリーはジャズやブルース、そしてロックだったものが、ついにクラシックにも進出、同じやり方でこのLIVING STEREOのカタログから25のアイテムをLPとハイブリッドSACDとしてリリースしたのです。あいにく、それをリーズナブルな価格で買える国内代理店経由では、なぜか4タイトルしか入手できません。そこで、クーポンがだいぶ貯まっていたので、それを使ってダメモトでこのライナーとシカゴ響との「展覧会の絵」を買って聴いてみることにしました。
そういうものですから、さぞやSACD化にあたっての自慢話のようなものが付いているのでは、と思ったのですが、オリジナルのジャケットが使われたブックレットには、オリジナルのライナーノーツが転載されているだけで、それ以外のデータはマスタリングエンジニアを含め一切ありませんでした。これはこれで、なかなかの潔さ、なにしろ本体にもニッパーのマークが印刷されているぐらいですからね。

さらに、製造元のクレジットも、RCAの現在の所有者であるSONYになっていますから、これはしっかりとした原盤(マスターテープ)の提供が行われていたことが期待できます。
そんなわけですから、このパッケージから得られるのは初出LPのリリースが1958年だった、ということだけです。ただ、他のところで得られる録音年代は1957年でした。しかし、同じ演奏者の、名録音との誉れ高い「ツァラ」などは、1954年のステレオ録音ですからね。
この「展覧会の絵」のトランスファーは、おそらくごく最近行われたのでしょう。テープのドロップアウトがかなりあちこちで見られますから、テープ自体はもはやかなり劣化しているようです。2回目の「プロムナード」では、切れてしまったテープを補修したような跡がはっきり聴こえますし。しかし、音そのものはとても元気のよい、今録音したばかりのような生々しさが感じられるものでした。特に、「バーバ・ヤガー」あたりになって多くの打楽器が派手に鳴りはじめると、そのあまりのリアリティの豊かさに、思わずたじろいでしまうほどです。バスドラムの炸裂などは、巷によくあるチマチマしたデジタル録音では絶対に得られないようなエネルギーが感じられます。これは、文句なしにすごい音です。
「サムエル・ゴルデンベルク」と「リモージュ」の間でヒスノイズが全くなくなった無音の部分がありますから、このマスターはここをAB面の変わり目にしたLP用のマスターだったのでしょう。そのLPもぜひ聴いてみたくなり、注文したところです。聴き比べが楽しみです。

SACD Artwork © Analogue Productions
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by jurassic_oyaji | 2014-05-08 20:57 | オーケストラ | Comments(0)