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KNECHT/Grande Simphonie, PHILIDOR/Overtures
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Christian Benda/
Orchestra Filarmonica di Torino
Prague Sinfonia Orchestra
NAXOS/8.573066




クネヒトの「大交響曲」は、その世界初録音のものをこちらで聴いてました。このベルニウス盤では、この曲は1997年の録音、カップリングの曲がなかなか見つからないでいるうちにリリースが延びてしまっていたのでしょう。
ですから、今回同じ曲が録音された2013年以前にも、もしかしたらどこかで録音されたものがないとは限りませんが、まあこんな珍しい曲はそうそう録音されるものではないでしょうから、ここはとりあえずNAXOSの顔を立てて、これが「2番目」だと言うことにしておきましょうか。ただ、こちらもカップリングには苦労したようで、クネヒトとは何の縁もないフランスの作曲家フィリドールという人の序曲が入っています。しかも、指揮者は同じなのにオーケストラが違うというのですから、いかにもやっつけ仕事という感じですね。
クネヒトを演奏しているのはイタリアのトリノのオーケストラ、エンジニアもイタリア人ということで、まさに「期待通り」のとんでもない音が聴こえてきましたよ。もうバランスは無茶苦茶、繊細さのかけらもない録音なのでした。木管なんか、全然聴こえてきませんよ。そこで、弦楽器の音がとても雑に聴こえると思ったら、それはどうやらソロで弾いているようでした。改めてベルニウス盤を聴きなおしてみると、そこは普通にトゥッティなのに、どうしたことでしょう。もしかしたら、その時に書いたように、スコアには「2つのヴァイオリン」などと書かれていますから、それをまともに受け取ってそれこそ弦楽四重奏ででも演奏しているのかな、とも思いましたが、第2楽章などでは普通にトゥッティなのですから、訳が分かりません。
それにしても、このソロのヴァイオリンのセンスの悪いこと。まるで自分の音に酔いしれているかのように、好き放題に弾いているのですから、聴かされる方はたまったものではありません。なんとかしてほうだい
最後の楽章には、この曲のアイディアをパクったのでは、と言われているベートーヴェンの「田園」の、同じ終楽章のテイストと、さらに第3楽章のような部分も含まれています。というのも、これは帯の日本語表記では全く分からないのですが、原文の表記では、「自然は喜びに満ち」なんたらという前に、きちんと「L'Inno con variationi: Andantino - Coro: Allegro con brio - Andantino - Coro: Allegro con brio」と書いてありました。つまり、この楽章は「聖歌と変奏」という4拍子の穏やかな部分と、「コーラス」という、3拍子の賑やかな部分とで出来ていて、それを交互に繰り返しているのですね。もちろん3拍子の部分が、後にベートーヴェンの第3楽章になるのです(いや、ならないって)。ところが、この2つの部分の切り替えが、この演奏ではとことん不細工なんですね。特に、最後の2つのセクションの間ときたら、静かに終わってそれで満足してしまったところに、まだにぎやかなものが続くという必然性がまるで感じられません。
なんか、ベルニウスではそんな思いはなかったはずなのに、と聴き直してみたら、案の定、そちらにはこの最後のにぎやかな部分はありませんでした。楽章の表記も「L'Inno con variationi: Andantino - Coro: Allegro con brio - Andantino」、つまり、楽譜そのものが違うのですよ。もしかしたら、今回のベンダは自分の裁量で付け加えたのだとか。そうだとしたら、これは蛇足以外のなにものでもありません。
フィリドールの方は、プラハのオケとプラハのスタジオ、おそらくエンジニアもイタリア人ではなさそうで、全く違った爽やかな音が聴けます。演奏されているのは4曲のオペラのための序曲ですが、そのうちの2曲は3楽章形式で、まさに「シンフォニア」本来の意味での「交響曲」に限りなく近いものです。そのあたりが「大交響曲」との接点だったのでしょうか。まるで、ちょっと手抜きのモーツァルトといった感じの、なかなか魅力のある曲ばかりです。演奏、録音とも、こちらの方がメインだった、と思いたいものです。

CD Artwork © Naxos Rights US, Inc.
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by jurassic_oyaji | 2014-05-26 22:20 | オーケストラ | Comments(0)