おやぢの部屋2
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BEPPE/Remote Galaxy
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Ralph Rousseau(Va. d. G.)
Mark van Wiel(Cl)
Emily Beynon(Fl)
Vladimir Ashkenazy/
Philharmonia Orchestra
2L/2L-100-PABD(BA)




モーテン・リンドベリというエンジニアが一人で録音から何から手掛けているレーベル「2L」が、ついに100アイテム目をリリースしました。そういえば、こちら99番目だったんですよね。ちょっと季節外れですが、鍋物かなんかでお祝いしなければ(「煮える」ですから)。
このレーベルは、とことん「音」にこだわったリンドベリによって、常に最高のスペックの製品を提供してくれていました。特にサラウンドに対する熱意には特別なものがあったはずです。スペックは最初からハイレゾのSACDだったものが、さらに超ハイレゾの世界に入っていき、最近ではSACDBAが同梱されている形に落ち着いていきたな、と思っていたら、今回のパッケージはBAのみ、SACDを出さない代わりに2枚組LPをリリースというスタイルになっていました。ピュア・オーディオはLPで、そしてサラウンドはBAで、というポリシーなのでしょうか。そう、今回のサラウンドは、今までの5.1に加えて、「7.1」と「9.1」というものが新たに入っています。そのうちの9.1は、「AURO 9.1」という特別なもので、通常の5.1の「上方」にさらに4つのスピーカーを設置するというものなのだそうです。なんだか、MDGの「2+2+2」とよく似た発想ですね。
でも、これを再生するには、新たなスピーカーと、特別なデコーダーも必要なようですから、到底この方式が浸透するとは思えないのですがね。いや、そもそもBA自体が、各メーカーとも出してはみたもののいまいち売行きは芳しくないということで、もはや撤退を検討しているところもあるという噂もささやかれているぐらいですから、こんな「先進的」な方向に進み過ぎて墓穴を掘らなければいいのに、と思う昨今です。
今回のBAには、フルートのエミリー・バイノンが参加しているので、それが最大の目玉でした。なんでも、彼女のために作られた「フルート協奏曲第2番」が収められているのだそうです。そういえば、以前やはりバイノンをフィーチャーした同じようなジャケットデザインのアルバムに「フルート協奏曲第1番」が入っていましたが、その時の作曲家はフレード・ヨニー・ベルグ、しかし、今回は「フリント・フベンティーノ・ベッペ」という別な人です。なんか作風も似てるし、よくこんな人を見つけたものだ、と思ったら、実はこれは同じ人、最近名前を変えたのだそうです。珍しいですね。
ということは、その、以前のアルバムでは作品そのものには完全に失望させられた思い出がありますから、ここでも同じような、まるで砂をかむような思いをさせられるのでしょうか。
残念ながら、そんな「期待」は全く裏切られることはありませんでした。その最新のフルート協奏曲ときたら、あまりの中身の薄さに驚かされます。何しろ、「フルート協奏曲」と言っていながら、バイノンのソロはほんとにたまにしか聴こえてこないのですからね。それ以外は、いかにして華麗な響きで空間を埋めようかというあざとさがミエミエの派手なサウンドで迫るばかり、確かにオーディオ的には価値がありそうですが、それだけのものでしかありません。
そんな中で、そのバイノンはさらに脂ののった素晴らしいフルートを聴かせてくれています。特に高音の輝きは、以前はそれほど感じなかったものです。ある場所などは、ピッコロがユニゾンで入っているのではないかと思えるほどのふくよかな高音、もちろん、この曲のオーケストラにはピッコロはおろかフルートも入っていませんからね。
それでも、この曲が一番マシ。他の曲はどうしようもないつまらなさです。タイトル曲の「Remote Galaxy」などは、ソロにヴィオラ・ダ・ガンバが入っていますが、なぜこの楽器なのかという意味が全く分かりませんし、クラリネット・ソロが加わる「Distant Words」も、アホみたいに明るいだけです。あと2曲のオーケストラだけの曲は、始まるやいなやものすごい睡魔が襲ってきましたし。

BA Artwork © Lindberg Lyd AS
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by jurassic_oyaji | 2014-05-28 20:22 | フルート | Comments(0)