おやぢの部屋2
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The Singles 1969-1973
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Carpenters
UNIVERSAL/UIGY-9542(single layer SACD)




今ごろ気づいたのですが、「カーペンターズ」って、名前に「ザ」が付かないんですね。「ザ・ビートルズ」みたいに、あの頃の最後が「ズ」で終わるバンドは、必ず頭に「ザ」が付いていましたからね(「ザ・リガニーズ」とか)。もしかしたら、そんな画一的な名前を避けて、ロック・バンドとは差別化を図ったというような戦略があったのかもしれませんね。確かにこのバンドのサウンドは当時としては画期的、その親しみやすさが人気を呼んで、日本では「一家に一枚カーペンターズ」という時代がやってきます。本当ですよ。誇張ではなく、どんなご家庭にも彼らのレコードがあったという、今ではとても考えられない現象が起きていたのですよ。そういえば、AKB48のレコード(つまりCD)を実際に持っているという人に、いまだかつて会ったことはありません。
そんな、ノスタルジーのかなたにあったはずのバンドのアルバムが、なんとユニバーサルが誇るシングル・レイヤーSACDで発売されました。価格はクラシックのアイテムと同じ税込4500円(3月末のリリースでしたから。今では4629円になってしまいました)ですから、別に高いとも思いませんが、こちらにはさらにいろいろ「小物」がおまけに付いているそうなので、迷わずお買い上げです。

ただ、クラシックの時もそうでしたが、このパッケージもなにか根本的な間違いを犯しているような気がしてなりません。本体はオリジナルのダブルジャケットのミニチュアなのですが、悲しいかな、このサイズではそれがきちんと畳み込むことが出来なくて、中途半端に開いた状態にしかなりません。それをボックスにしまうと、この不思議な構造の箱の蓋は全然力がないので、絶対に閉まることはないのですよ(蓋の裏にSACDを収納する必要なんてないのに)。

なんでも、このSACDには、リチャード・カーペンター自らがマスタリングに携わった2014年の最新DSDマスターが使われているというのですね。それはすごいこと、もしかしたらLPをしのぐほどの音が聴けるかもしれませんよ。一応、当時、1973年に買った、国内編集のLP2枚組のベスト盤がまだそんなにコンディションも悪くなっていないで手元にありましたから、比較にはことかきません。
ただ、こちらのアメリカ編集のベスト盤は、まだ実際に聴いたことはありませんでしたから、1曲目の「We've Only Just Begun」で聴きなれたシングル・バージョンとは全然違うものが聴こえてきたのには、戸惑ってしまいました。「ベスト盤」としてのイントロという意味で、いきなり「Close To You」のオープニングから始まって、「Superstar」の断片なども交えた後に、初めて本来の曲が始まっていたのですね。その、最初に挿入された部分は、楽器のバランスも、カレンのヴォーカルも全然別物ですから、おそらく編集した時に新たにレコーディングされたものなのかれん。「Close To You」の本体は1970年の録音ですが、この部分の音はたった3年で全然クオリティが違うようになっていました。ただ、それにしては1973年録音の「Yesterday Once More」がえらく音が悪いので、ちょっと訳が分からなくなってしまいます。ストリングスの音などは、「Close To You」の方がずっと繊細です。
ということで、その「Close To You」を、1973年のLP1985年にA&Mでマスタリングが行われたCD2枚組のベスト・アルバム、そして今回のSACDとを比較してみました。LPだけは、最後のコーラスが終わった後、また繰り返すというバージョン、CDSACDは普通にフェイド・アウトするバージョンです。
これはもう、ヴォーカルの立体感も、ストリングスの瑞々しさも、LPにはかないません。ヴォーカルだけだったら、SACDよりもCDの方が密度が高く聴こえるかもしれません。SACDは、確かに解像度は高く感じられるものの、音に厚みと暖かみが全く欠けています。これはおそらく、マスターテープそのものの劣化が進んだためなのではないでしょうか。いずれにしても、このSACDの音は全くの期待はずれでした。

SACD Artwork © A&M Records
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by jurassic_oyaji | 2014-06-23 20:12 | ポップス | Comments(0)