おやぢの部屋2
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KARAJAN/STRAUSS
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Soloists
Herbert von Karajan/
Berliner Philharmoniker
Royal Concertogebouw Orchestra
Wiener Philharmoniker
DG/00289 479 2686 GM12(CD & BA)




今年はリヒャルト・シュトラウスの生誕150年とカラヤンの没後25年が重なる年、そこでリリースされたのがこんなLPサイズのボックスです。CDが4枚収納されているLPのダブルジャケットが、3つ入っています。その12枚の内訳は、初出のLPのカップリングにほぼ従って、DGでのアナログ録音が6枚とデジタル録音が1枚、DECCAのカルショー制作のコンピレーションが1枚、そして1960年のザルツブルク音楽祭のライブ録音が3枚です。これを足しても11枚にしかなりませんが、あとの1枚は、アナログ録音6枚分を、24bit/96kHzでトランスファーしたPCMデータが収められたBAです。それに、ザルツブルクの「ばらの騎士」のリブレットまで入った80ページにもなる分厚いブックレットが同梱されています。これには、オリジナルのライナーノーツなどのほかに、現物の「録音記録」の、まるで本物のような精巧な写真が載っています。
実は、この中の6枚のアナログ録音に関しては、国内盤でシングル・レイヤーSACDがほぼ同時に発売されていました。つまり、このボックスの12枚目とほとんど同じ内容(BAには、ボーナストラックとして「サロメ」と「ドン・ファン」の1943年の録音と、この元のLPのどこにも入っていなかった「メタモルフォーゼン」が入っています)のものが、別のハイレゾ・パッケージで出ていたのですね。しかし、このSACDは、なぜか恐ろしく強気な価格設定なので、6枚全部買った時の半額以下の値段で、音質的にはそれと全く同じか、もしかしたら優れているBAを含んだこの豪華ボックスが丸ごと買えてしまうという、信じられないようなことが起こります。
ところがそのうちの1枚、オーボエ協奏曲とホルン協奏曲第2番がカップリングされているSACDで、不良が発生していたという噂が。オーボエ協奏曲の冒頭の、チェロだけが「レミレミ」と2回繰り返すイントロが丸ごと欠落しているというのです。つまり、頭からいきなりオーボエのソロが始まるということですよ。そこで、ボックスの方ではどうなのか確かめてみたくなって、それならば買ってみよう、と思ったのですよ。そういうことが気になると、こんなことになってしまう性分なものですから。
結果的には、このBA(もちろんCDも)にはそんな欠落はありませんでした。さらに、日本のメーカーにはドイツでマスタリング済みのデータが送られてくるようですから、そうなるとミスったのはドイツのマスタリング・エンジニア、ということになりますね。そんなことをやらかしたのはどいつだ!
そんな、ひょんなことから買ってしまったボックスですが、そのオーボエ協奏曲は、実はあのジェームズ・ゴールウェイがベルリン・フィルに入団して最初にDGに録音したものだということが分かって、ちょっとびっくりしているところです(その数日前に、EMIの有名なベートーヴェンのトリプル・コンチェルトに参加しています)。さらに、このあたりの録音には、ゴールウェイが参加している曲がごっそりありましたよ。思いがけないプレゼントに、幸せをかみしめているところです。
せっかくなので、BAに入っているものを全部聴いてみると、カラヤンの録音ポリシーの遷移がはっきりわかってきました。1960年代は、まだ個々の楽器がはっきり聴こえるシャープなものだったのが、1970年代に入ると、まるで全体を紗幕で覆ったような、とてもなめらかなのだけれど何の刺激もない音に変わってしまいます。これはまさに「カラヤン・サウンド」が完成される過程にほかなりません。そこからは、プレーヤーの個性が(ゴールウェイですら)次第にはっきりしないものに変わり、全てが「カラヤン色」に塗りつぶされる様子が、恐ろしいほどくっきりと見えてきます。これがカラヤンの「耳」、彼がCDのスペックで満足しきっていたのも、納得です。
もっと恐ろしいのは、さっきの不良品に対するメーカーの姿勢。公式サイトでは不良品の交換に関する告知は一切ありません。買った人が不良に気づかなければ、品物だけ引き上げて、黙っていようという魂胆なのでしょうか。

CD & BA Artwork © Deutsche Grammophon GmbH
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by jurassic_oyaji | 2014-07-01 23:05 | オーケストラ | Comments(0)