おやぢの部屋2
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東野圭吾

 東野圭吾の最新の文庫本がなんと2ヶ月連続で出るそうですね。まずはその第1弾を買ってきて、さっそく読んでしまいました。ほんとに、この人の本は読み始めると他のことをほったらかして最後まで読みたくなってしまうのが、困ったものです。
 今回は、別に文庫の書き下ろしではなく、ちゃんとハードカバーが3年ぐらい前に出ていたものでした。でも、なぜか広告などには「文庫化」という言葉がなかったのは、ある種の作戦なのでしょうね。もちろん、私はハードカバーは一切買わないことにしていますから、そんなものに引っかかることはあり得ないのですが。
 これも、いかにも東野さんらしい、一見無駄と見えるものがしっかり伏線になっていたといった、油断のならない構成でした。これが映画やドラマになった時のキャスティングを考えてみると、ホテルマンになりきって潜入捜査を行う刑事役は、なんたって阿部寛でしょう。というか、もしかしたら彼に「あてて」書いたのではないか、と思えるようなところが、ありませんか?ただ、そうなると加賀恭一郎と重なってしまうのが問題ですね。そのコンビとなるフロントクラークは、仲間由紀恵・・・と、思いっきり「トリック」ですね。そして、最後に明らかになる犯人は清水ミチコとか。

 これを読み終えるのに呼応していたように、WOWOWで韓国版の「容疑者Xの献身」が放送されていました。タイトルは「容疑者X 天才数学者のアリバイ」ですって。でも、これは「邦題」のようで、原題は「Perfect
Number/Suspect X」というしゃれたものでした。とは言っても、映画の方はそんなおしゃれでスタイリッシュなものでは全然ないところが、面白いところ。つまり、日本版(というか、オリジナル)でそんな「おしゃれ」を一身に背負っていたガリレオ先生が、この韓国版には登場してこないのですよ。
 ですから、事件の捜査は刑事が一人で頑張ることになるのですが、実は彼が「天才数学者」の高校時代の同級生だった、という設定で、ガリレオの役割をきちんと果たすことになります。もう一つ、実際に最初の殺人を犯す親子は、ここでは叔母と姪という設定です。最初はそんな細かいところで変えてどうするのか、と思ったのですが、よく考えてみると原作での女の子は実の父親を殺す手助けをしてしまっているのですよ。これはあまりにも残酷、というか、無神経な設定ではないでしょうか。韓国版は、そこのところを考慮して、より自然な形に修正したとは言えないでしょうか。
 そんな、日本版に比べると奇を衒わない淡々とした語り口で物語は進んでいくように感じられます。なにより、キャラクターが自然で素朴な感じ。天才数学者は、まさに原作にあるようなとことんさえない男に見えますが、その最大のポイントは、今ではまず見られない大きなフレームのメガネでしょうね。こんな「時代遅れ」のメガネひとつで、見事にこの役を語っています。そして、彼が思いを寄せる「おばさん」は間違いなく日本版の松雪泰子を超えた可憐さを持っています。これだったら、自分が犠牲になっても絶対に守りたくなりますって。
 ですから、最後の原作とも日本版とも違う結末にも、このキャストだから納得させられるのですね。いかにも素直な心情を反映させたこの結末は、この映画の目指すものが日本版とは全く異なる事を見事に物語っています。
 韓国の映画なんてまず見ないので、これらのキャストがどういう人たちなのかは全く分かりませんが、唯一、「冬ソナ」で「キム次長」を演じていた人が捜査課長かなんかをやっていて、なんかホッとさせられましたね。
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by jurassic_oyaji | 2014-07-24 23:17 | 禁断 | Comments(0)