おやぢの部屋2
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BRUCKNER/Symphony No.8
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Mario Venzago/
Konzerthausorchester Berlin
CPO/777 691-2




世の中がLPからCDへと変わっても、その「顔」であるジャケットの存在は変わりません。なんたって「ジャケ買い」などという言葉があるぐらいですから、そこにはまず商品としての訴求力が必要です。そこで、一番手っ取り早いのが、アーティストの写真をあしらうことでしょう。ただ、「カラヤン」とか「諏訪内晶子」だったら間違いありませんが、「五嶋みどり」はやめた方が良いかもしれませんね。しかし、このCPOレーベルでは、知る限りアーティストの写真を使うことはせず、つねになにか暗~いタッチの絵画などでジャケットをデザインしているような気がします。ただ、それはほとんど、何かしらその内容に即した、意味のあるものですから、なんとなくその音楽をイメージできるようなところがありました。
しかし最近、そんな「具象絵画」ではなく、見ただけでは何の意味も感じられない抽象的なジャケットを見かけるようになりました。それは、おそらくこのレーベルでは初めてとなるブルックナーの交響曲のようでした。いつの間にか、その無愛想なジャケットの数が増えて行って、最近、こんな、まるで抹茶カステラのようなジャケットのCDが出る頃には、殆どの交響曲が揃ってしまっていましたよ。
そうなってくると、無視もできませんから、この最新の「8番」を聴いてみることにしました。指揮者は、全く聞いたことのないマリオ・ヴェンツァーゴというスイス人だそうですが、名前からするとイタリア系でしょうね。聞いたことがないのは当たり前で、例の「音楽の友社」から発行されている、おそらく国内唯一の指揮者名鑑の最新版(とは言っても、発行されたのは2009年)には載っていません。最近出てきた若い指揮者、というわけでもなく、生まれたのは1948年というかなりのベテラン、実際は名門オケやオペラハウスでのれっきとした実績のある人でした。
実は、このブルックナーのツィクルスには、ある特徴がありました。それは、曲によってオーケストラを変えて録音する、というものです。それも、フルオケではなく小さなサイズの「室内オケ」を、最初の頃の作品には起用しているのですね。具体的には、「0番」、「1番」はフィンランドのタピオラ・シンフォニエッタ、「2番」はイギリスのノーザン・シンフォニエッタで、「3番」以降はスイスのベルン交響楽団とバーゼル交響楽団という、彼が何らかの形でポストを持っている団体を使って録音しています。
そして、この「8番」になって、初めてドイツのオーケストラの登場です。それは、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、かつては「ベルリン交響楽団」と呼ばれていて、たとえばザンデルリンクなどの指揮による多くの録音によって知られていた旧東ドイツのオーケストラが、2006年にこんな名前になりました。さらに、彼らが本拠地にしている「コンツェルトハウス」というホールの写真がブックレットにありますが、そこもかつては「シャウシュピールハウス」と呼ばれていました(確か、バーンスタインが「壁」崩壊後にここで「第9」を演奏していましたね)。
このブルックナー、今までの録音をこちらなどでずっと聴いてみると、室内オケでは、人数が少ないにもかかわらず弦楽器の主張がはっきり伝わってくるのに、フルオケになると、全体の音も甘くなって「団子」状態になるとともに、弦楽器、特にヴァイオリン・セクションがかなり控えめな存在感になってしまっているのですね。もちろん、録音スタッフは皆同じです。
今回も、やはりそのちょっと「甘い」音になっているのが残念でした。表現自体はしっかりしているのですが、「音」そのものに張りがないために、なんか中途半端な印象しか受けないのですよ。もしかしたら、これがノーマルCDだったから、そんなのろまな音に聴こえてしまうのかもしれません。このレーベルではSACDは素晴らしい音が聴けるのに。

CD Artwork © Classic Produktion Osnabrück
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by jurassic_oyaji | 2014-08-04 21:35 | オーケストラ | Comments(0)