おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
LECLAIR/The Complete Sonatas for Two Violins
c0039487_20384365.jpg




Greg Ewer, Adam Lamotte(Vn)
DORIAN SONO LUMINUS/DSL-92176(CD, BA)




例えば、某ネット通販サイトの「ブルーレイ・オーディオ」のページには最近は紹介されてはいませんが、このSONO LUMINUSというレーベルの新譜はすべてCDBAが同梱されているという形でリリースされています。いともさりげなく、もうこういうやり方が当たり前、という感じで、ハイレゾのBAが付いてくるというのは、うれしいものです。
今回のルクレールという、なんだかおいしそうな響きの名前(それは「エクレール」)のフランスのバロック期の作曲家の「2つのヴァイオリンのためのソナタ全集」は、CDでは2枚組になりますが、BDでは当然ながらそれが全曲1枚に収まります。そのスペックは24/192という最高位のもの、それがLPCMで2チャンネルステレオ、さらに、同じスペックのDTS HD MA7.05.0のサラウンドと、3種類のモードがすべて含まれているというのですから、なんとも豪華なパッケージです。
ヴァイオリンの演奏技術の向上にも大きな貢献のあったルクレールは、ヴァイオリン2本だけというシンプルな編成によるソナタを、Op.3Op.12という2つの形で、それぞれ6曲ずつ、計12曲残しています。バロックの時代には「低音」の存在が欠かせませんが、メロディ楽器であるヴァイオリンだけで、その「低音」までも演奏しようという試みは、この時代の多くの作曲家が行っていたものです。ここでは、その12曲がすべて演奏されています。

演奏しているのは、2人のアメリカのヴァイオリニスト、「1番」を弾いているのが、カンニング竹山似のグレッグ・イーワー、「2番」がオードリー春日似のアダム・ラモッテです。それぞれ、普段は主にモダン楽器のオーケストラやアンサンブルでの活動を行っていますが、ここではピリオド楽器を使用、もちろんピリオド・ボウ、ピリオド・ピッチ、演奏スタイルも、繰り返しでの自由な装飾などごく当たり前に行っていて、完璧に「バロック」に迫ります。
まずは、BDの音のチェックです。録音会場はスタジオで、そんなに残響がなく、楽器の音がくっきり聴こえてくる環境、そんな中で彼らの音は、「ピリオド楽器」という言葉からくる鄙びたイメージからは程遠い、とても生々しいものでした。ビブラートをかけずに、弓で表情を付けているのが、とてもよく分かります。ところが、同じものをCDで聴くと、まず、音像が変に膨らんで、焦点がぼやけてしまいます。さらに、なんだか安物の楽器で演奏しているような、なんとも貧しい響きが伝わってきます。もしかしたら、これがCDの限界だったのかもしれません。CDで再生する限り、ピリオド楽器の本当の音は聴こえてはこないのでは、という思いにかられます。
ですから、BDのハイレゾで聴く彼らの楽器は、なんと新鮮な魅力にあふれていることでしょう。そんな生命力あふれる音に包まれて、いつの間にか全曲を聴きとおしていました。
たった2つの楽器なのに、ルクレールが施した絶妙な役割分担は、とても豊かなバラエティを見せています。時にはフレーズを互いに受け渡すバトル、時には相方のアリアに合わせての控えめな伴奏、さらには全く独立した声部を主張するフーガと、ありとあらゆるテクが繰り出され、退屈することなど許されません。
その間に、この二人の個性もはっきり聴き取れるようになりました。おそらく、芸人、いや、プレイヤーとしては「竹山」の方がワンランク上、自信をもって音楽をリードしています。「春日」の方はしっかり相手に合わせるという、まさにツッコミ、いや、「2番」タイプ、ですから、Op.12の2曲目の第3楽章メヌエットのトリオで、「春日」がソロのメロディを弾くような場面でも、「竹山」の伴奏の方がキャラが立ちすぎていてかわいそうになってしまいます。この曲全体が、構成もしっかりしていて一番聴きごたえがありました。
もちろん、どの曲でも文句なしに楽しめますよ。

CD & BA Artwork © Sono Luminus LLC
[PR]
by jurassic_oyaji | 2014-08-16 20:40 | ヴァイオリン | Comments(0)