おやぢの部屋2
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BRAHMS/Hungarian Dances
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Duo Praxedis
Praxedis Hug-Rütti(Hp)
Praxedis Geneviève Hug(Pf)
PALADINO/PMR 0051




ブラームスの「ハンガリー舞曲」は、オーケストラ作品として、オーケストラの演奏会のアンコールには欠かせないレパートリーになっていますが、そもそもの形態はピアノの4手連弾でした。全部で21曲作られ、出版されていますが、この曲集には「作品番号」は付けられていません。その代わり、後に「WoO 1」という番号が与えられています。これは「Werke ohne Opuszahl」、つまり、「作品番号が付いていない作品」の「第1番」ということになります。作品番号が付いていないのに「番号」が付いているというのは明らかな矛盾ですが、そこには様々な事情があるのでしょうから、笑って許してあげましょう。この場合の「事情」は、ここに現れるメロディはブラームスがジプシーの曲を「採譜」しただけで、自分のオリジナルではないことから、このような措置を取ったのだ、と言われていること。あくまで、「編曲」ということで、「作品」には含めなかったのでしょう。
もちろん、こんな有名な曲ですから今までに多くの楽器のために編曲されてきました。そんな中でも、今回のハープとピアノという組み合わせはとてもユニークなものなのではないでしょうか。でも、もともとのジプシーの音楽にはよく登場するツィンバロンという楽器は、なんとなくハープとの共通点があるような気がしますから、もしかしたらそういう意味での相性がいいのでは、と編曲者は考えたのかもしれません(編曲者の名前はクレジットされていません)。
ここでの演奏者は、「デュオ・プラクセディス」というチームです。整体師ではありません(それは「カイロ・プラクティック」)。ハープがプラクセディス・フーク=リュッティ、ピアノがプラクセディス・ジュヌヴィエーヴ・フークというお二人、ジャケットの写真を見ると同じようなドレスを着て顔もよく似ていますから、姉妹なのでしょうか。あのラベック姉妹の若い頃みたいな感じですかね。でも、よく見てみると、左側の人の手は静脈が浮き出ていてなんかお肌に張りがありません。もしや、と思ってライナーを見ると「スイスの母と娘のデュオ」と書いてあるではありませんか。えーっ!ということは、片方は「今」のラベック姉妹ですね。それにしてもこの若づくりには驚かされます。
「母」の方はハープを弾いている人でした。確かに、他の写真を見てみるとドレスの胸の開き方が微妙に違ってたりしますね。いったいお幾つなのでしょうね。ところが、容姿はそのようにどんな風にも飾る(ごまかす)ことは出来ますが、演奏の腕はまさに年に見合った衰え方を見せているのが、とても悲しいところです。
この編曲、オリジナルのピアノ版を尊重しているようですが、ハープは基本的に「プリモ」のパート、たまに「セコンド」と入れ替わる、というプランです。ですから、細かい十六分音符が並ぶところがたくさん出てきますが、それが悲惨そのもの、とても楽譜通りには弾くことが出来なくてオタオタしている姿は、耳を覆いたくなるほどです。しかも、そんな醜態を少しでもカバーしたいとでも思っているのでしょうか、時折高音のアコードで、とてもハープとは思えない、まさに無理やり弦をひっぱたいているような荒っぽい音で、自らの存在を「主張」しようとしていますから、こうなるともはや音楽とは言えなくなってしまうほどです。ピアニストでもいますよね。お年を召されて指なんかもう回らなくなっているので、早いパッセージはごまかすし、弾けるところだけ力いっぱい叩きつける、という人が。そんな、完璧に「老醜」をさらけ出しているのが、この「母」なのですよ。
たまに、「セコンド」になると、ハープならではのアルペジオが、とても美しく響いてくるところがあります。これが出来るのに、なぜこんな弾けもしないような編曲を施したのか、とても不思議です。いずれにしても、こんなものを商品にしたレーベルの良心は疑われても仕方がありません。

CD Artwork © Paladino Media GmbH
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by jurassic_oyaji | 2014-09-01 20:41 | 室内楽 | Comments(0)