おやぢの部屋2
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竹内まりや
MOON/WPZL-30906/7



2007年の「デニム」以来となる、7年ぶりのオリジナル・アルバムの登場です。「デニム」の時にはまさにデニムのロングスカート、そして、今回は三つ揃えのスーツとピンホールカラーのシャツという「トラッド」なファッションで迫ります。というか、これは男物の打ち合わせですから、なんともボーイッシュ。
今回のジャケットやブックレットを飾るのは、まりやの故郷、出雲の風景です。そのスーツ姿のショットは出雲大社、タータンチェックのスカートでバックにしているのは稲佐の浜ですね。ジャケットの写真は、おそらく「竹野家」の中なのでしょう。
もちろん、初回限定盤を買いましたから、「おまけ」が付いてます。今までだとカラオケのCDなどがそんな「おまけ」だったのですが、今回はなんとDVDです。このところ盛んに目にする「静かな伝説(レジェンド)」のPVを始めとする、これまでのPVのハイライト・シーンだけではなく、2000年のライブ映像まで入っていますから、これはたまりません。ライブの方は何度も見ているものなのですが、こうやってパッケージになっていると、感慨も新たです。「駅」の細やかな表現は、ライブならではの深い味ですね。
その「レジェンド」の映像を、CDと同じオーディオ環境で聴いてみると、なんだかCDよりも滑らかな音が聴こえてきます。特に達郎のコーラスが入ってきた時の音場の広がりが全然別物で、見事に各声部が溶け合ったまろやかなハーモニーになっています。そこで、DVDの音声スペックを確認してみると24bit/48kHzPCMなのだそうです。まあ、ハイレゾと言えるかどうかは微妙なところですが、この違いははっきりと音に出ていたのですね。いや、ショルティの「指環」だってこの程度のスペックであれだけの音が聴けたのですから、やはりこれだけでもはっきりCDをしのぐ音になるのでしょう。
こうなると、まりやや達郎の曲も、オリジナルのハイレゾで聴いてみたくなりますね。ドリカムの中村正人でさえ雑誌のインタビューで「24/96で録音している」と言ってるぐらいですから、達郎だったら当然同程度の規格を採用しているはずですからね。というか、いまどき16/44.1で録音を行っている現場なんてないのではないでしょうか。
と、音に関しては興味深い体験があったのですが、この曲自体ははっきり言ってあまり好きではありません。「デニム」に入っていた「人生の扉」と似たようなテイストを感じる曲で、なんとも重苦しい歌詞と、それに合わせたまるで演歌のような思い入れたっぷりの歌い方が、ちょっと辛く感じられてしまうのですよ。まあ、これはおそらく作家自身の「進歩」なのだ、ということは、最近のプロモーションでの発言でうかがうことが出来ますから、もはやどうしようもないことなのでしょうが、1ファンとしては「進歩」などしなくてもいいからあまり変わらないで、と、願わずにはいられません。
そういう意味で、このアルバムの中で最も注目したのは、みつき(高畑充希)のために作った「夏のモンタージュ」のセルフカバーです。「幸せだな~」とかは入ってません(それは、セリフカバー)。オリジナルはこちらに収録されていて、その時には「まりやがセルフカバーを行っていないのは、もはやこの歌には付け加えるべきものは何もないと判断してのことだったのでは」と書いていましたが、まりやはそれをやってしまったのですね。その結果は、予想どおりでした。オリジナルが持っていた切なさやはかなさといったものは、ものの見事にこのカバーから消え去っていたのです。オリジナルのすばらしさは、なんと言っても歌った人の魅力、曲はそれを助けただけのものに過ぎませんでした。つまり、「扉」や「レジェンド」を歌ってしまった人には、もはやこの歌に真の命を吹き込むことはできないのです。悲しいかな、それが「進歩」というもの、辛くても耐えるしかありません。

CD Artwork © Warner Music Japan Inc.
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by jurassic_oyaji | 2014-09-11 21:02 | ポップス | Comments(0)