おやぢの部屋2
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Various Artists
DECCA/478 6769




先日のストコフスキーの「シェエラザード」の時にご紹介した、1960年代から1970年代にかけてそのユニークな録音で評判をとったDECCAの「フェイズ4」のCDボックスの方が、やっと手元に届きました。「まとめ買い」にしたりすると、こんな風に他のアイテムが揃うまで送ってこないことがありますから、注意が必要です。
ただ、そのCDを手に取ってみると、あまりにもジャケットの紙が薄いのには驚かされます。もうこうなると「ジャケット」とは呼べないほどの、ただ「紙袋」ですから、なんともお粗末ですね。
それでも、中には「カルメン」と「悲愴」が1枚で84分などという、かなり「増量」されたカップリングもありましたね。とても食べきれません(それは「カップメン」)。
何はともあれ、この前の「シェエラザード」のLPでの転写によるプリエコーが、CDではどうなっているのかを検証です。これはもう、見事に消えていました。本当に、何の痕跡もなく聴こえなくなっているのですから、すごいものです。ですから、もしかしたらこれはテープの転写ではなく、カッティング、あるいはプレスの際の転写(そういうものも有るのだそうです)なのかもしれないと、一応すぐ隣の溝から聴こえているのか確認してしまいましたよ。その結果、例えば第1楽章の最初のヴァイオリン・ソロの間に3回か4回聴こえるプリエコーは、微妙に異なるところから出ていましたから、やはりテープの転写に間違いありません。
実は、以前にもこれはほかのレーベルからCDが出ていました。それを聴きなおしてみても、やはりプリエコーは全く聴こえません。でも、これは波形そのものはわかっているのですから、それをデジタル処理でそのまま元のデータから引き算を行う、ということが出来るのかもしれませんね。いずれにしても、LPとCDでは、マスターが別のものであることははっきりしたわけです。
とは言っても、今回のラインナップを見てみると、かなりの数の初CD化のものがありますから、今まではそれこそ中古LPでしか聴くことが出来なかったものが簡単に聴けるようになったのは、ありがたいことです。そもそも、この「フェイズ4」のアーティストの中に、RCAの専属だと思っていたフィードラー指揮のボストン・ポップスなどが入っていたことも初めて知ったぐらいですから。さらに、これは本当に迂闊だったのですが、この中にはゴールウェイがオーケストラの中でフルートを吹いているものがかなり含まれていたのですよ。ゴールウェイがベルリン・フィルに入団したのは1969年の9月ですが、その前はロイヤル・フィルの団員でした。その時期の録音、例えばヘンリー・ルイス指揮の「田園」や「悲愴」が、ここで初めてCDで聴くことが出来るのですね。ただ、以前は録音時期が特定できなかった同じ指揮者の「カルメン」抜粋などでもゴールウェイが吹いていたとされていましたが、一応ここのデータでは1970年の録音になっているのでもしかしたら違うのかもしれません。実際に、「セギディーリア」の頭のソロを聴いてみても、微妙に違うような気がしますし。
ただ、このデータを全面的に信用していいものか、という問題は残ります。というのも、こんな「面白い」データを発見してしまいましたからね。

これだと、録音する前にリリースされたことにはなりませんか?

これだけのものを聴き直してみると、「フェイズ4」の初期のものは、インパクトを強めるためには、多少音が歪んでも構わない、という姿勢がありありと見えます。しかし、やはりクラシックでそれはまずいだろう、という意識が働いたのでしょうか、それも次第におとなしくなって行き、結局他の録音との違いがあまり目立たなくなって(その頃には、ほかのレーベルでも普通にマルチマイクが使われるようになっていました)、自然消滅してしまったのでしょうね。しかし、「ちょっと変わった録音」で、歴史に名を残したことは事実です。

CD Artwork © Decca Music Group Limited
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by jurassic_oyaji | 2014-10-07 22:47 | オーケストラ | Comments(0)