おやぢの部屋2
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PUCCINI/Madama Butterfly
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Mirella Freni(M. Butterfly)
Luciano Pavarotti(Pinkerton)
Herbert von Karajan/
Konzertvereinigung Wiener Staatsoperchor(by N. Balatsch)
Wiener Philharmoniker
DECCA/478 7819(CD+BA)




カラヤンが1974年にDECCAに録音した「蝶々夫人」が、CDとBAとのパッケージで登場しました。これは、パヴァロッティがらみのリミテッド・エディションということで、3点ばかり同じ仕様でリリースになったのですが、なんたってウィーン・フィルとカラヤンということと、エンジニアにゴードン・パリーが参加しているという魅力にひかれて、これを買うことにしよう、と思いました。
カラヤン/ウィーン・フィルのDECCAへの録音というと、1959年から1965年にかけての一連のジョン・カルショーによるプロデュースの録音が有名ですが、カルショーがDECCAを去った1970年代に入っても、カラヤンはオペラだけを4曲DECCAに録音しています。この頃のカラヤンは、DGとEMIを「二股」にかけてやり放題だったのにも飽き足らず、さらにDECCAにまで手を出すなんて、なんという絶倫。まさに「帝王」ならではの放蕩の極み、なんてね。実際は、さまざまな契約上の問題があってこんなことになったのでしょうが、何ともうらやましい限りです。
まず、ジャケットが初出のLPと同じものだというのが、うれしいところです。「うれしい」とは言っても、別にこのデザインが素晴らしいというわけではなく、当時の西洋人の日本に対する認知度がこの程度だったのか、ということを端的に示しているという点で価値がある、という意味なんですけどね。明治時代の「蝶々さん」が平安時代の十二単を着ているなんて、シュールすぎます。なんたって、この作品で描かれた「日本」のいい加減さもかなりなものなのですからねえ。スズキが毎晩お経を上げたり、蝶々さんが肌身離さず持っているのが仏像(もしかして位牌?)なんて、ありえません。
これが、厚さ2.5センチのハードカバーのブックレットになっていて、200ページ以上のものなのですが、大半は対訳で、申し訳程度に数枚の写真が載っているというショボさです。その表表紙にCDが2枚、裏表紙にBAが1枚入っているという構成です。もちろんお目当てはBDですから、最初にプレーヤーにセット、モニターでまずフォーマットを選択することになります。そうなんですよ。なぜか同じ24/96であっても、ここでは「LPCM」と「Dolby True HD」という2つのデータのどちらかを選択しなければいけないのです。普通は、こういう時にはリモコンのカラーボタンを使ってその操作をするようになっているのですが、ここではそんな指示はありません。ですから、普通に矢印キーで操作するのですが、それが面倒くさいうえに、いったいどちらを指定したのか、その表示はものすごく見づらいのですね。この辺の操作法は、統一されていないのでしょうか。
結局、なんとかLPCMで聴き始めましたが、これはもう序奏からまさに最盛期の「デッカ・サウンド」が聴こえて来たのには大満足です。フガートで重なり合う弦楽器の生々しさ、特に最後に出てくるコントラバスの存在感と言ったら、ハンパではありません。そこで思い出したのが、そもそもBAのすごさを最初に認識することが出来たショルティの「指環」での「ワルキューレ」の前奏曲でした。ここには、それと同じ質の豊穣さがありました(そういえば、この「指環」も、ついに単発のBAがリリースされましたね)。
それと、聴いていて面白かったのは、カルショーが開発した「音だけでステージの様子を表現する」という手法が、この頃でもしっかり受け継がれていることです。もちろん、パヴァロッティもフレーニも、そしてスズキ役のクリスタ・ルートヴィヒも最高の歌を聴かせてくれています。でも、なんと言っても凄いのが、オーケストラのとてつもない雄弁さです。「ある晴れた日に」の後奏でのびっくりするようなダイナミックスなど、ウィーン・フィルを自在に操っているカラヤンがいまさらながら光っています。
ただ、トラックの切れ目にはっきりノイズが入るのがちょっと問題。

CD Artwork © Decca Music Group Limied
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by jurassic_oyaji | 2014-11-16 19:39 | オペラ | Comments(0)