おやぢの部屋2
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アルトフルート
 「集団的自衛権」が流行語大賞に選ばれたことで、世の中は大騒ぎになっていますが(なってない?でも、普通は耳を疑いますよね)、ニューフィルではその前にもっと大騒ぎになったことがありました。それは、来年秋の定期演奏会のメイン・プログラムがショスタコーヴィチの「交響曲第7番」に決まったというニュースです。もちろん、これはいきなり決まったわけではなく、団員からの希望曲をとりまとめて指揮者の意見を聞いたらば、「これ、やりませんか?」と言ってきたので、それに決まったといういとも順当な手続きを踏んでのことだったのですけどね。でも、まさか○広さんが、マーラーやブルックナーならいざ知らず、よりによってショスタコーヴィチをやりたいなんて、誰も予想していませんでしたよ。ほんと、○広さんにはいつも驚かされることばかりです。
 ま、別に私は嫌いな曲ではありませんし、やりがいがあるので楽しみなんですが、一つ問題がありました。それは、この曲の中には普通のフルートやピッコロだけではなく、アルトフルートを使う個所があるのですよ。アルトを使うところがあると。かつて、そんな曲をやったことはありました。それはホルストの「惑星」。ただ、その時には私の手元にその楽器があったので、すんなりそれを使いましたが、実はそれは借り物で、殆ど私しか使う人がいないということで、私が持っていたものでした。その後、事情が変わって、私はアルトを吹くような機会はなくなったので、それを持ち主に返してしまったのですよね。ですから、それをまた貸してもらえるように交渉しなければいけなかったのです。
 その「アルトフルート」というのは、こんな楽器です。
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 普通のフルート(手前、ちょっと「普通」じゃない楽器ですが)より長く太く、完全4度下の音が出ます。つまり「C」の指で吹くと「G」の音が聴こえるという楽器です。この曲では、第2楽章の後半で、3本のフルートパートが「タン・タン・タカタカ」と延々とコードをカットして、バス・クラリネットのソロのバックを務めているときに、その最低音をアルトが「G」まで出しています。
 その「持ち主」というのは、「仙台フルートの会」という団体です。最近はちょっと足が遠のいていて、いったいアルトはどういうことになっているのか分からなかったので、まず知り合いのAさんにそのあたりを聞いてみました。そうしたら、すぐに返事が来て「楽器はBさんのところにあるはずだけど、今は仙台にはいない」ということが分かりました。これはちょっと焦りました。仙台にいないのでは、借りられるかどうかは分かりません。でも、こちらも連絡はすぐについて、今は仙台のCさんが持っているということが分かったので、まずは一安心。でも私はそのCさんとは面識がなかったので(というか、全然聞いたことのない名前)、もう一度Aさんに頼んで連絡先を教えてもらい、直接メールをしたら、「フルートの会の例会の時に持って行くから、取りに来てください」という返事がもらえました。よかった、よかった、これで間違いなく貸してもらえるでしょう。
 その例会がきのうあるというので、さっそく行ってみましたよ。かつて、会ではよく使っていた広い練習室に入ったら、そこには3人の人が丸くなってアンサンブルをやっていました。Cさんも、そこで実はずっと知っていた方だと分かりましたよ。めでたく楽器を受け取って、お礼を言って帰ろうとしたら、「せっかくなので、アンサンブルをやっていきませんか?」と言われました。「いえいえ、そんな~」と一応断ってはみたものの、実はこれは想定していたことでした。まあ、人数があまりに少なかったのが想定外ではありましたが、結局アルトの入った四重奏に編曲したドビュッシーの「小組曲」の楽譜を渡されて、3年ぶりに触ったアルトで、初見で全曲吹いてしまいましたよ。
 今日になって、なんだか足部管でカチカチ音がするので調べてみたら、キーの先のフェルトがなくなっていたので、新しいのを付けてやりました。そういえば昔Gisキーのフェルトも直したっけと、懐かしさに浸っているところです。色んな人の手に渡って、やっと私のところに帰ってきてくれたんですね。楽器は、人間と違って決して私を裏切ったりはしないんですね、なんて。
by jurassic_oyaji | 2014-12-01 22:09 | 禁断 | Comments(0)