おやぢの部屋2
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ARNESEN/Magnificato
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世の中は12月に入り、にわかにクリスマス・モードが高まっています。なんたって、公開中の「嵐」の相葉君を主演に迎えての「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」という映画では、山下達郎の「クリスマス・イブ」をバックに大規模なイブミネーションとプロジェクション・マッピングで盛大にその日をお祝いしていますからね。このほんのりとした映画は、今年のクリスマスをきっと暖かくしてくれることでしょう。
もっと現実的に、さるCDメーカーのFacebookページではクリスマス・キャロルやクリスマス・カンタータなど、これでもかというぐらいしつこく「クリスマス」の文字が躍っているアイテムを躍起になって売りつけようとしています。いったい、こんなものを見たからと言ってどのぐらいの人が購入するのでしょうかね。そんな「業界」のミエミエの企みなどには踊らされずに、もっと真摯にこの行事を祝いたいとは思いませんか?
そんな、「クリスマス」というタイトルこそありませんが、「クリスマス」には決して欠かすことのできない作品が「マニフィカート」です。ご存知のように、ここではキリストを身ごもったことを知らされた聖母マリアが述べた感謝の言葉が歌われますから、まさに「生誕」へ向けての始まりということになります。テキストは新約聖書の「ルカによる福音書」から取られていて、その最初のフレーズが「Magnificat anima mea Dominum(私の魂は主を崇める)」ですので、その最初の単語が曲名になっています。
「マニフィカート」ではなんと言ってもバッハの作品が有名ですが、ここではあえて1980年生まれのノルウェーの作曲家、キム・アンドレ・アルネセンが2010年に作った最新のものを聴くことにしましょう。まだ若いのに、多くの合唱曲を様々な団体から委嘱されるなど、すでにノルウェーを代表する作曲家として認められているアルネセンは、ここで演奏しているニーダロス大聖堂少女合唱団と、その指揮者アニタ・ブレーヴィクからの委嘱によって、この広々とした空間を持つ大聖堂で演奏することを念頭に置いてこんなキュートな「マニフィカート」を作りました。一応女声合唱のためのものですが、多くの団体に歌ってもらえるようにとの配慮から、混声合唱のバージョンも用意されています。
全部で7つの曲から出来ています。まず1曲目の「Magnificato anima mea」は、チェロによる深いテーマで始まります。それを受けて、弦楽器に乗った少女たちのの無垢な合唱が広がります。途中のア・カペラの美しさはまさに絶品。最後にオルガンが登場して締めくくります。
2曲目の「Ecce enim」はまるで往年の映画音楽。後半には、テレビドラマの劇伴でおなじみのキャッチーなハーモニーが聴こえてきます。
3曲目の「Quia fecit」は、チェロによるプレーン・チャントが合唱に引き継がれ、シンプルな音楽が続きます。
4曲目の「Et misericordia」は最もキャッチーなナンバーでしょう。ソロによって歌いあげられたものを、合唱が受け、最後はソロ、合唱、オケが一体となってテーマを盛り上げます。
5曲目の「Fecit potentiam」は一転して、弦楽器がリズミカルなパターンを繰り返します。合唱もとても晴れやかなテーマ。その中の転調も、聴き慣れたものです。
6曲目の「Suscepit Israel」は、美しいソロで始まります。そこに、合唱団員によるソロが加わり、美しい二重唱が繰り広げられます。まるでフォーレの「Pie Jesu」のような感じです。
最後の「Gloria Patri」は、テンション・コードによるピアノのイントロ。これにもプレーン・チャント風のしっとりした合唱が続きます。
という具合で、言ってみればジョン・ラッターをベースに、アルヴォ・ペルトを少し加え、エリック・ウィテカー風に仕上げたテイスト、といった感じの曲でしょうか。難しいことを考えずに、すんなりと受け入れられる音楽です。これをクリスマスに聴けば、一人ぼっちの人も、「連れ合い」がいる人も、心から癒されるに違いありません。

SACD & BA Artwork © Lindberg Lyd AS
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by jurassic_oyaji | 2014-12-04 20:29 | 合唱 | Comments(0)