おやぢの部屋2
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POULENC/Organ Concerto, SAINT-SAËNS/Symphony No.3
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James O'Donnell(Org)
Yanick Nézet-Séguin/
London Philharmonic Orchestra
LPO/LPO-0081




ロンドン・フィルは、ロンドンのサウスバンク・センターの中に1951年に作られたロイヤル・フェスティヴァル・ホールを本拠地として活躍しています。正確には、1992年から、このホールの「レジデント・オーケストラ」となっているということです。まあ、ホール専属のオーケストラという意味ですが、同じようなポストを日本では「フランチャイズ・オーケストラ」と言っています。どちらも全く同じ意味なのでしょうが、「フランチャイズ」というとなんだかフライドチキン(フランチャイズ・チキン)のチェーン店みたいで笑えますね。
そのロイヤル・フェスティヴァル・ホールには、1954年に据え付けられたオルガンがあります。これは、当時としては珍しいドイツ・バロックの様式で作られたものでした。それはまさに、「シュニットガー」とか「ジルバーマン」といった、バッハご愛用のブランドの流れをくむものです。そのオルガンがこのたび大規模な改修工事を施され、めでたく今年の3月に完了の運びとなりました。徹底的なオーバーホールを施して、創建当時の音にリニューアルされたのですね。そのお披露目に、一連のコンサートが開かれたのですが、これもその一つ、オルガンの入るオーケストラ曲の代表格であるプーランクとサン・サーンスの作品が、3月26日に演奏されました。元のオルガンが最初に演奏されたのが3月24日でしたから、まさに丸60年目にその栄誉を担ったのが、レジデント・オーケストラであるロンドン・フィルだったのは言うまでもありません。
オルガンのソロは、ジェイムズ・オドネルです。彼は、現在はウェストミンスター寺院のオルガニスト兼聖歌隊の指揮者の地位にあります。非常に混乱しやすいのですが、彼が2000年にこのポストに就く前までは、「ウェストミンスター大聖堂」で同じ仕事をしていました。こちらを見ていただければ分かりますが、この2つの施設は宗派も異なる全く別のものです。オドネルは「大聖堂」時代にも多くのCDを出していましたから、無理もないのかもしれませんが、今回のCDの公式な紹介文では、見事に「大聖堂」と間違えています。これは、こちらを始め、多くの媒体にコピーされてどんどん増殖していますよ。おそらく、これを書いた人は自分のミスに気付かないだけではなく、こんな指摘をされても何のことかすらわからないのではないでしょうか。本当に困ったものです。
ま、そんな些細なことはさておいて、この新装なったオルガンの音を聴いてみましょう。プーランクのコンチェルトでまずそのフル・オルガンが聴こえてきた時には、まぎれもないドイツ・バロックのオルガンの音だ、という気がしました。その、一本芯が通っていて、モノクロームの音色は、ちょっとプーランクとはミスマッチのような気がしますが、しばらく聴いているとこれこそがまさに普遍的なオルガンの音なのだ、という確信に変わります。いかに時代や国籍が変わろうと、オルガン音楽の「原点」がここにある、という感じでしょうか。オドネルの演奏は、そんな自信に満ちたもののように感じられます。その上で、プーランクならではの瀟洒な味わいも、決して失われてはいません。ただ、ネゼ・セガンの指揮は、ちょっと四角張ってはいないでしょうか。
しかし、サン・サーンスの「オルガン交響曲」になると、今度はまるで暴れ馬のようにいったいどこへ行ってしまうのかわからない指揮ぶりに変わりました。もしかしたら、最初の部分にはオルガンが入っていないので、その呪縛から逃れられたせい?などと思ってしまうほどの、変わりようです。しかし、オルガンが加わった第1部の後半などは、うって変わってしっとりとした「歌」にあふれています。第2部はやはりイケイケの音楽、最後はまだ終わっていないのにフライングの「ブラヴォー!」ですよ。まあ、「お祭り」だから、これでいいのでしょう。

CD Artwork © London Philharmonic Orchestra Ltd
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by jurassic_oyaji | 2014-12-06 21:39 | オルガン | Comments(0)