おやぢの部屋2
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WAGNER/Die Walküre
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Peter Seiffert(Siegmund), Kurt Rydl(Hunding)
John Tomlinson(Wotan), Waltraud Meier(Sieglinde)
Gabriele Schnaut(Brünhilde),
藤本実穂子(Fricka)
Zubin Mehta/
Bayerisches Staatsorchester
FARAO/A 108088(BA)




2000年から本格的なリリースを始めたミュンヘンのマイナーレーベルFARAOは、事実上Andreas
CaemmererとFelix Gargerleという2人のエンジニアによって運営されています(正確な日本語表記をすることができないので、スルー)。現在までに100点ほどのアイテムがリリースされていますが、スタート時から録音の良さを売り物にしていて、どれを聴いても音で裏切られることはありません。いや、もちろん、演奏も非常にハイレベルのものばかりです。一時、ケント・ナガノのブルックナーなどでSONYの下請けのような仕事をしていましたが、それも今では自社のカタログに入っていますし。
最近では、そのナガノのブルックナーもBAにまとめるなど、このフォーマットにかなり熱心なところを見せているのは、さすがに音にこだわるレーベルならではのことです。そして、今回は2002年に録音されていた「ワルキューレ」のライブ録音が、BAとなってリイシューされました。実は初出時には、CDだけではなく「DVD-Audio」という、今では全く忘れさられているフォーマットのものも同時に発売になっていました。音にはこだわっても、ちょっと先が読めなかったのでしょうね(でも、このDVD-Audioはまだちゃんと入手できます)。それがBAになったことで、やっと当初の目論見が達成できたということになります。しかも、DVD-Audioでさえディスクが3枚(CDでは4枚)必要だったものが1枚に収まってしまったのですから、うれしいことです。おそらく、ワーグナーのオペラで、BAになっているのはショルティの「指環」と、これしかないはずです。ワーグナーでこそ、例えば「ラインの黄金」とか1幕版の「オランダ人」のように、切れ目なく2時間近く演奏されるものではBAが最適のフォーマットになるというのに。
今回のBA、もちろんジャケットはCD/DVD-Audioと同じですが、対訳などが入っているブックレットまで、それと全く同じものだったのには、笑ってしまいました。「DVD-Audioで新しい体験を!」なんて書いてあるのですから、おかしいですね。ま、その他に薄っぺらな、BAのトラックが書いてある紙がケースに入っていますが。
したがって、出演者のプロフィールなども2002年の時点での記述になっています。例えば、藤本さんのところでは「2003年にはベルリン・ドイツ・オペラでクンドリーに初挑戦」みたいなことが書かれていますよ。実は、これが録音された2002年と言えば、藤本さんがバイロイトにデビューした年で、これと同じフリッカを歌っていました。こちらのライブが7月ですから、その頃はバイロイトのリハーサルなどもあって、二つの劇場を忙しく行き来していたのでしょうね。
このBA、さすが、リアルな音場が目の前に広がります。ザイフェルトのジークムントは、少々線が細いものの、揺れ動く若者の直情的な心情をしみじみ歌いあげます。マイヤーはさすがベテラン、堂々とした歌い振りは、当時最高のワーグナー歌いとしての地位を確立したことをまざまざと見せ付けてくれます。ブリュンヒルデ役のシュナウト、この人もメゾでデビューして、ソプラノに転向した人。来日も多く、この3年前N響の定期のソリストとして、シュトラウスなどを歌っていました。ちょっとヒステリックな声ですが、なかなかの表現力です。ただ、第3幕などは明らかにバテていることが分かります。トムリンソンのヴォータン、手元にバレンボイムのちょうどこれから10年前のバイロイトのCDがありますが、当時に比べると、確かにカッコよくなりました。貫禄ってものかも知れません。そして、お待ちかね藤村さん。いやぁ、確かに良い声です。高音から低音まで、ふくよかで滑らかな響き。とにかく良く通る声で、言葉のハンデも全く感じられません。これは本当に素晴らしい。皆が期待するのも頷けます。もちろん、現在では彼女は期待通りの活躍ぶりですね。

BA Artwork © FARAO Classics
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by jurassic_oyaji | 2014-12-08 20:49 | オペラ | Comments(0)