おやぢの部屋2
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MENDELSSOHN/Hebrides, Symphony No.3, SCHUMANN/Piano Concerto
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Maria Joao Pires(Pf)
John Eliot Gardiner/
London Symphony Orchestra
LSO LIVE/LSO 0765(hybrid SACD, BD, BD-A)




ロンドン交響楽団の自主レーベルが、最近はすごいことになってますね。この間のゲルギエフ「幻想」に続のいてのこのガーディナーの「スコットランド」では、同じように2枚のディスクに音声だけで5種類のフォーマットが収録されているほかに、コンサートの映像も付いているのですが、その映像が今回はフルサイズで入っているのですからね(前回は「幻想」だけでした)。つまり、プログラムのすべての曲目以外に、コンチェルトでのソリスト・アンコール、「森の情景」の7曲目の「予言鳥」までが、きちんと見られるということです。
まずは例によって、BDの音声とBD-Aの音、さらにはSACDとの聴き比べです。そもそもの録音の時にはDSD(フォーマットは明記されていません)だったのですが、それがSACDになるといつもながらのお上品な音に変わります。そこへ行くと、BD-Aはさすがに24/192ということで、もう生々しさから言ったら比較にはならないほどです。あまりに細かいところまで聴こえるので、逆に会場の残響成分が邪魔をして、ちょっとクリアさがなくなっているな、と感じられるほどです。BDでは、サンプリング・レートはもう少し下がっているのでしょうか、とても聴きやすいマイルドな音になっています(今まで「ブルーレイ・オーディオ」のことを「BA」と表記していましたが、誰も使う人がいないようなのでより汎用性のある「BD-A」に変更します)。
ただ、映像が付いてしまうと、どうしても音楽以外の視覚的なものに注意が行きがち。シューマンでピレシュの顔がアップになった時には、ちょっと見てはいけないものを見てしまったような複雑な気分でした。いつまでも少女のように若々しく見えていた彼女でも、限界というものはあったのでしょうね。ピアスの穴が大きく垂れ下っているのを見なければいけないのは、ある意味苦痛です。さらに、手元を見ると右手の甲にはタトゥーが。絵柄はかわいらしいお魚のようですが、やはりこれはいけません。
ですから、まずは純粋に音楽に浸ろうと、BD-Aに切り替えて最初から聴き始めました。序曲はとても繊細な演奏、木管楽器がとてもきれいです。そしてシューマンのピアノ協奏曲は、威圧的なところが全くない、本当に優しい音楽に仕上がっていました。ちょっとピアノがおとなしすぎるような気もしますが、これはこれで心地よいものです。これも、ピアノに合いの手を入れる木管が、とても魅力的です。
そして「スコットランド」が始まりました。それは、今まではそれほど感じることのできなかった、まさにガーディナーの意志がしっかりと伝わってくるものでした。弦楽器ではビブラートを極力抑えたピリオド奏法がかなり徹底されているようですが、例えばノリントンがやっていたような不自然さが感じられることは決してありません。そして、なによりもその息使いなどの中には、とてものびのびとした軽やかな情感があふれているのですね。
それがあまりにも自発的な演奏のように感じられたので、これは映像で見てみたいな、と思ってBDに切り替えて見始めたら、驚きました。そこでは、ヴァイオリンとヴィオラの奏者たちは、全員立って演奏していたのです。椅子もすっかり取り払われて足元も広々とした中で、彼らはまさに体全体を柔らかく動かしながら「歌って」いたのですね。序曲や協奏曲ではごく普通に椅子に座っていたのに、なぜこの曲だけ立っていたのかは全く分かりませんが、かつてDGにメンデルスゾーンを録音した時にもこのような形を取っていたそうなので、おそらくこれは当時の演奏会の資料をもとに再現したものなのでしょう。いずれにしても、それは単に形だけではなく、間違いなく開放感あふれる演奏を生み出す要因になっていました。
もう一つ気になったのは、譜面灯。別に普通の明るい会場での演奏でしたが、何か特別な演出でもあったのでしょうか。

SACD & BD Artwork © London Symphony Orchestra
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by jurassic_oyaji | 2015-01-12 20:35 | オーケストラ | Comments(0)