おやぢの部屋2
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カルメンの「ハバネラ」は盗作
 ニューフィルのスプリングコンサートもだいぶ練習が進み、来週末にはソリストも来てさらに本番へ向けての仕上げに近づいていきます。チケットなども、私の事務局サイドからの担当である「友の会」への発送も終わり、個人的にいつも送っている人からも、お礼の電話なども届くようになっています。あとは、もう少ししたらFacebookのイベント経由でご招待をさせていただきますので、その時にはぜひ「ご厚意に甘えて」いただければいいかな、と思っています。
 そして、私のこの時期のミッション、プログラムノーツの執筆も、いよいよ佳境に入ってきました。私の担当は前半の曲目、「魔笛」序曲と「カルメン」です。「魔笛」は簡単に書けましたが、「カルメン」の方はなかなか大変ですね。この場合は単に音楽の解説をするだけではなく、オペラとしての「物語」にも関連付けて書かないことには、全然片手落ちになってしまいますからね。ところが、ここで一つ問題が発生しました。その物語を説明するときに、普通はストーリーに従って演奏される順番に書いていけばすんなりいくはずなのに、このコンサートでは全くそんな流れは考慮しないで、もっぱら音楽的な起伏を重視した配列になっているものですから、曲順に書いていこうとすると、時間軸が全くでたらめになって収拾がつかなくなってしまうのですね。かといって解説だけ物語の順番に書いたりしたら、聴いている人にはとても不親切なものになってしまいます。この矛盾をどのように乗り越えるか、これが、私に課せられた最大の難問になってくるのです。
 ということで、解説の中ではドン・ホセが営倉から釈放された後、カルメンの縄を緩めて逃げられて営倉に送られてしまう、みたいなシュールな時間経過が描かれるようになっていますが、これは言ってみれば映画のカット・バックの手法だと思って読んでもらいたいものです。そのために必要な工夫も、できる限り施してありますから、おそらくそんな不自然なものにはなっていないとは思うのですが、どうでしょうね。
 ですから、そういう時間経過とその間の登場人物の変化については、かなりきちんと調べてみました。というか、私自身がそれぞれのキャラクターについてしっかりした知識がないことには、どこからぼろが出るかわかりませんからね。今、東野圭吾の新刊の文庫を読んでいるところですが、今まで一度も登場したことのない名前の人が急に犯人として捕まっていたので、ちょっとびっくりしてしまいました。確かに、もう1度最初から読み直してみたら、本当に目立たない形で登場はしていたので別に作者の中では何の抵抗もなく犯人にすることができたのでしょうが、読んでいる人がそれにきちんと気づいていないと「この人だれ?」みたいなことになってしまいますね。この人は伏線の張り方が巧みなのは知っていましたが、その辺の手加減が時としてうまく読者に伝わらないこともあるのでしょう。そう、私は無謀にも東野さんを超えるクオリティを、このプログラムノーツに込めようとしているのですよ。
 というのはウソですが、そのために台本だけではなくDVDなども見てみると、今まで知らなかったことがわかってきます。例えば、第2幕の舞台となっている「リリャス・パスティアの酒場」の「リリャス・パスティア」っていったいだれ?というようなことですね。この名前は第1幕の「セギディーリア」の歌詞の中に出てきますが、それは単なる店の名前のような感じですね。実際、このキャラクターはセリフだけの登場人物ですから、ギロー版では出てきません。アルコア版になって初めて、一人の「人物」として登場するのですね。しかも、台本を読む限りではそれは男性なのですが、ある演出ではそれが女性になっていましたね。
 さらに、いろいろ調べているうちに、「ハバネラ」が盗作だったということがわかった時には驚きましたね。ついでだから、それも盛り込みました。知ってました?結構有名な話のようですが、その元ネタを作った作曲家の出版社から訴えられて、裁判になったのだそうですね。その結果、
 こんな「但し書き」が楽譜に掲載されるようになったんですって。はっきり「パクリです」と書かれてますね。
 こちらでは、実際にその「元ネタ」を聴くことができます。楽譜も出版されてます。
 赤線の部分は「ハバネラ」そのものですね。
 結局、こんな感じでとりあえず原稿が出来上がりました。3000字ぐらい、ちょっと長すぎたかも。
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by jurassic_oyaji | 2015-03-18 21:43 | 禁断 | Comments(0)