おやぢの部屋2
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VIVALDI, BACH/Magnificat & Concerti
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Hanna Bayodi-Hirt, Johannette Zomer(Sop)
Damien Guillon(CT), David Munderloh(Ten)
Srephan MacLeod(Bar), Perrr Hantaï(Cem)
La Capella Reial de Catalunya(by Lluís Vilamajó)
Jordi Savall/Le Concert des Nations
ALIA VOX/AVSA9909D(hybrid SACD & DVD)




ジョルディ・サヴァールが、彼の合唱団の「ラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャ」と彼のオーケストラの「ル・コンセール・デ・ナシオン」を指揮した最新録音のSACDです。録音されたのは2013年の6月、ヴェルサイユ宮殿王立礼拝堂で行われたヴィヴァルディとバッハの「マニフィカート」を一緒に演奏するというコンサートの模様がライブ収録されています。さらに、このパッケージにはSACDのほかに映像を収録したDVDも入っています。ただ、それはヨーロッパ仕様の「PAL」ですから、国内の普通のプレーヤーでは再生されないはずですが、やはりサヴァールの「ロ短調」で同じように付いてきたPALのDVDが手持ちのマルチディスク・プレーヤーで何の問題もなく再生出来たことを思い出して試しにかけてみたら、やはりきちんと再生できました。さすがに、安物のBDプレーヤーではだめでしたが、PCでも再生できるようですから、その気になればPALを再生するのはそんなに面倒なことではないのかもしれません。もし、貴重な映像なのにPALでしか出ていないことで販売をためらっているような代理店がいたら、勇気を出してPALのままで出すことをお勧めします。
しかも、今回のDVDはSACDよりもずっと音がいいのですよ。弦楽器の艶っぽさがきちんと聴こえてきますし、合唱もくっきりとした音像です。会場ノイズなどでSACDも全く同じ音源であることが分かりますが、SACDはなんか芯のないサラっとした音に聴こえます。映像ではマイクアレンジがよくわかりますが、指揮者の真上に3本のメインマイクを吊るすという「デッカ・ツリー」を採用しているようですね。
DVDでは、最初にヴィヴァルディの「マニフィカート」が演奏されています。だいぶ前に一度聴いたことがあったはずなのに、まるで初めて聴く曲のような印象がありました。なにしろ、曲の始まりが短調というのが、かなりショッキング。そのあとには、ほとんど間をおかずにソリストたちの重唱など様々な短い曲が続いて、それらの中には長調のものもあるのですが、最後の「Gloria Patri」ではまた短調に戻ってしまいます。そんなちょっと暗めの曲を、合唱団のメンバーは真に言葉の意味を自分たちのもののようにして歌っているように見えるのが、とても印象的です。スペインの合唱団ですが、彼らの言葉とラテン語とはかなり近いものがありますから、おそらく何の違和感もなく「呪文」ではなく「歌詞」として感じることができるのかしら。
それが終わったところでバッハの「マニフィカート」です。もちろんこれは長調の曲ですが、このようにヴィヴァルディと続けて演奏されると、今まで思っていたこの作品の印象がずいぶん変わってしまうことに気づきます。正直、この冒頭の曲などは特に、あまりにあっけらかんとしていてちょっとノーテンキすぎるのではないか、という気がしていたのですが(実際、そんな演奏にはよく出会えます)、ここでのサヴァールの歌わせ方は、もっと節度を持った、もしかしたら「翳」すらも感じられるようなものでした。このテキストは、もちろん聖書(ルカによる福音書)の中の聖母マリアが受胎告知に関連して唱える言葉が用いられていますが、その「受胎」の後に生まれてくる子供の後の受難を考えれば、そんなにあけっぴろげに喜んでもいられないのでは、ということなのでしょうか。
ソリストたちも、とても素晴らしい人たちが揃っています。特にソプラノのバヨディ=ヒルトとカウンター・テノールのギヨン、そしてテノールのムンデルローの節度を持った歌い方が心に残ります。
この後に、同じ年に別の会場で収録されたバッハのチェンバロ協奏曲BWV1052が演奏されています。これはニ短調の非常に深刻なテーマで始まる「暗い」曲、なぜこれがカップリングされたのかは明白です。

SACD & DVD Artwork © Alia Vox
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by jurassic_oyaji | 2015-04-20 21:11 | 合唱 | Comments(0)