おやぢの部屋2
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ガーデンガーデンの「あいすの家」で、「禁断の魔術」を読破
 最近、よく愚妻をガーデニングのお店に連れて行きます。いや、私は特段ガーデニングには詳しくないのですが、愚妻に言わせればそこはこの近辺では一番品物が多いというものですから。そこは愛子バイパスを、広瀬市民センターに入る交差点を少し過ぎて、車線が少なくなったあたりを降りたすぐのところにあります。ですから車でないと絶対に行くことが出来ないので、私の休みの時には使われることになります。
 私は、行ってしまったら別に花を見てもしょうがないので(選ぶのは愚妻)、時間をつぶしています。そういう場所がちゃんとあるのですね。敷地内にアイスクリーム屋さんがあって、その一角にアウトドア用のいすや机が置いてあって、お客さんはそこでアイスやランチ(ランチもやってます)を食べられます。その椅子の中に、必ず空いている席があるんですね。まるで私のためにあるように、いつ行ってもその席だけ誰も座っていないんですよ。ちょっと狭いけど風通しが良くて、読書なんかをするにはもってこいのスペースです。本当はアイスを買って座っていれば文句はないのでしょうが、別にこれは花屋さんに来たお客さんのためなのだから、と、まあ一応そばの自販機で買ったオレンジーナを飲みながら、座って本を読む、というのがいつものスタイルです。なんだか、アイス屋さんのおやじも私の顔をおぼえたようで、「ご苦労様です」とか言って話しかけてきますから、別に問題はないんでしょう。私が座っているためにほかのお客さんが座れない、というケースもありませんでしたから。
 そこで読んだのが、この新刊です。
 右の方はだいぶ前に読んだのですが、左は出たばかり。ただ、同じ「ガリレオ」シリーズでも、「虚像~」は短編集ですが、「禁断~」の方は長編でした。しかも、これはなんだか「文庫オリジナル」のようなことが言われていますから、ちょっと訳が分かりませんでした。そもそも「虚像~」の帯には「単行本2冊が1冊に」なんて書いてありますし。それと、単行本ではこの2つのタイトルの本は短編集だったはず。
 この作者のものでは単行本は読まない私ですから、その辺の事情がよくわからなかったのですが、調べてみたら単行本の時点ではそれぞれ4編、計8編の短編だったものが、文庫化の「虚像~」に7編を収録したというのですね。だから「2冊分」なのでしょう。それで、余った1編(タイトルは「猛射つ」)を、短編から長編に直してもう1冊の文庫本にした、ということなのです。ですから、文庫しか読まない私は短編としての「猛射つ」だけは読んでいないということになりますね。確か、「秘密」もそんな風に短編から長編に書き直されたものでしたよね。短編の方はお笑いのつもりで書いたのに、長編になったらシリアスになっていたとか。
 これも、一気に読んでしまえるほどの、いつもの彼の作品の魅力が満載でした。というか、短編は読んでませんが、その成り立ちを知っているとその「膨らませ方」がなんとなくわかってきて、要は東野さんが小説を書くときのやり方みたいなものが見えてくるような気がしてきます。骨子は基本的にごくシンプルなものに、いかにして有機的なつながりを持ったエピソードを付け加えていくか、ですよね。それが成功すると、すべての登場人物の行動が見事に意味を持って最後には収束するというとてつもない快感が与えられるのですが、中にはそれが必ずしも読む者にとっては作者が思ったほどには機能していないのではないか、みたいなものもあると感じられることもあります。ただ、これだけ彼の著作に接してきていると、そんなちょっと無駄だと思えるようなところでもしっかりカバーして読んであげたいという気持ちが湧いてきますね。結果的に、どれを読んでも楽しめる、という、私にとっては幸せな作家なんですね。でも、ここでは、最後に由里奈ちゃんがもう1度登場してくれれば、確実に泣けたな、という気はします。
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by jurassic_oyaji | 2015-06-15 22:17 | 禁断 | Comments(0)