おやぢの部屋2
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ドイツ語では「人魚」は「海の乙女」なんですね
 最近、今までずっと使われていたスコアで、その作曲家がもともとはカットした部分を、後の人が元に戻した「修復版」というのが出版されて、それを使って世界で初めて録音されたCDが出たということを知りました。まあ、正直その作曲家は私の守備範囲外で、ほとんど、というか、全然聴いたことはなかったのですが、そんな貴重な「版ちがい」のものが発売されたとあれば、何を置いても聴かないわけにはいかないじゃないですか。
 その曲は、3つの楽章からなる交響詩みたいなものでした。問題の修復された部分は第2楽章で、その量はライナーノーツを読むと14ページ分もあると言いますから、結構な分量です。確かに、同じ曲で今まで録音されたものの演奏時間が書いてあるサイトがあったので比べてみると、今回のCDはそのどれよりも演奏時間が長くなっています。念のため、楽章ごとの演奏時間まで載っているサイト(つまりNML)で見てみると、確かに1、3楽章ではほとんど同じぐらいなのに、第2楽章だけが4分から5分は長くなっていましたね。楽章全体で15分ぐらいですから、これは相当の違い、おそらくその長い分が、新たに加わったものなのでしょう。
 そんな風に、間違いなく違っているところがあるのだということがはっきりしていると、調べるのも楽しくなってきます。やはり、やみくもに調べるのではなく、きちんと目標があれば、なんだってやる気が起きるものですからね。でも、なんせ初めて聴く曲ですから、はっきり違いが分かるのかは正直自信はありませんでした。その第2楽章を、まずは新しいCDで聴いた後、NMLで今までの楽譜による演奏を聴いてみます。そうしたら、なんとなく、NMLではCDにはあったものがなくなっていることは分かりました。ちょっと全体のテストと極端に違っている楽器の使い方が、CDだけにはあったのですね。ですから、そこに狙いをつけてもう1度CDを聴いてみると、その部分の前後に、調は違いますが全く同じ金管のフレーズがあることが分かりました。おそらく、その間をカットして、つなげたのが、今までの楽譜だったのではないか、という気がしました。確かに、その部分は4分ちょっとありますからね。
 それで、まず違っている場所ははっきりしたのですが、ここまでくればやっぱり楽譜を見て確認してみたいじゃないですか。「答え合わせ」ってやつですよね。そこで、スコアがないかと思って、まずはIMSLPを覗いてみました。ここに行けばたいていの楽譜は見ることができるだけではなく、場合によっては「よくぞこんなものまで」という、とんでもなくレアなものにもお目にかかれるので期待したのですが、あいにくそこにはまだ用意されてはいませんでした。そこで、次にその楽譜を出版している会社のサイトに行ってみました。よく、スコアのサンプルなんかを見れることがあるんですよね。それは大当たり、なんと、そのサイトにはスコアが最初から最後まで、完全に見られるようになっていたではありませんか。もちろん、前書きや校訂報告まできちんと読めますよ。そこには、2013年に出版されたばかりの原典版、ということまで書いてありました。校訂者は、もちろんCDにクレジットされている人と同じですから、これではその「修復」された部分もちゃんと見ることができるはずです。
 と、意気揚々とCDをかけながら、そのスコアの第2楽章の部分を読んでいきます。しばらくして、さっきの目印となる金管のフレーズが出てきました。「ここだ」と思っていると、なんと音楽はスコアとは全く違うものが始まりましたよ。そういうことなんですね。やっぱり売り物ですから、見せられるのは古い楽譜だけだったのでしょう。まあ、それが当たり前の話ですね。
 がっかりしながら、もう1度前書きを読んでみると、「このスコアでは、第2楽章を修復後のものと今までのものの2種類が続けて掲載されている」と書いてあるではないですか。もう1度「ページ」をめくっていくと、確かに、さっき見た第2楽章のあとに「第2a楽章」というのがありましたよ。なんだ、ちゃんとあったじゃないですか。もちろん、そこにはCD通りの音楽がありましたし、修復された部分では別の小節番号が付けられていて、今までのものとの違いがはっきり分かるようになっていました。それは、確かに私が音で聴いて探し出したところとおんなじところでしたよ。
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by jurassic_oyaji | 2015-06-24 22:01 | 禁断 | Comments(0)