おやぢの部屋2
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POULENC/Organ Concerto, DURUFLÉ/Requiem
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Gillian Weir(Org)
Ruby Hughes(Sop), Gerald Finley(Bar)
Andrew Davis/BBC Symphony Orchestra
Thierry Fischer/BBC National Orchestra and Chorus of Wales
National Youth Choir of Wales
BBC MUSIC MAGAZINE/BBCMM384




イギリスのBBCが発行している音楽雑誌の6月号の「付録」のCDに、大好きなデュリュフレの「レクイエム」が入っていました。
このCDは、メインはプーランクのオルガン協奏曲、1999年の「プロムス」のラスト・ナイトにソリストとして登場したオルガン奏者、ジリアン・ウィーアが、メイン・アーティストとしてフィーチャーされています。そして、1938年にこの曲が初演された時にソリストを務めたのがモーリス・デュリュフレだったというつながりで、彼の「レクイエム」の、こちらは2014年の「プロムス」での演奏がカップリングされています。タッグマッチですね(それは「プロレス」)。指揮者とオーケストラはプーランクではアンドルー・デイヴィス指揮のBBC交響楽団、デュリュフレではティエリー・フィッシャー指揮のBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団です。
プーランクの方は、なんせお祭り騒ぎの場所ですから、始まる前から会場のざわめきがものすごいことになっていますが、演奏自体はあえてクールにこの曲に対峙している、といったスタンスが、オルガンにもオーケストラにも感じられます。ただ、録音はかなりいい加減、オルガンの迫力はほとんど伝わってきませんし、オーケストラの弦楽器は何とも情けないことになっています。
デュリュフレが演奏された2014年7月27日のコンサートでは前半にはラヴェルの「ワルツ」を2曲、その間にBBCの委嘱で作られたサイモン・ホルトのフルート協奏曲を、エマニュエル・パユが世界初演を行っています。どちらかといえば、このコンサートをフルでCDにしてもらった方が良かったのですね。そんな「ちゃんとした」コンサートでしたから、かなりお客さんもお行儀が良いようですし、録音状態もなかなかのものなので、まさに最新の「フル・オーケストラ・バージョン」の「レクイエム」のサウンドを堪能することが出来ました。
ご存知のように、この作品ではオリジナルのこの編成の他に、編成を減らした室内オケバージョンと、もっとシンプルなオルガンだけの伴奏のバージョンがあります。なんと言っても、この曲に欠かせないフランス的なオーケストレーションと、圧倒的なダイナミック・レンジを堪能できるのはフル・オーケストラによる演奏なのですが、肝心の合唱に満足できない録音が多いために、なかなか理想的な演奏には出会えません。
このCDでは、オーケストラのパートが非常によく聴こえてくるので、今までに気が付かなかったような細かい部分の「技」が分かるようになっています。「Sanctus」ではヴィオラが延々と弾いている細かい三連符のフレーズが木管楽器に移る個所があるのですが、それがまるでラヴェルの「ダフニス」の「夜明け」の部分とそっくりに聴こえます。コンサートではこの前にラヴェルを演奏していたので、それがこんな形で表れてきたのかもしれませんね。図らずも、デュリュフレのオーケストレーションのモデルが分かったような気がします。
もう一つびっくりしたのが、「Lux aeterna」の最後の和音がB♭-D-F-Aという「メージャー・セブンス」のコードだと気づかされたことです。クラリネットの1番がその「A」の音を出しているのですが、今までの演奏ではそれがほとんど聴こえなくて、ずっとただの三和音だと思っていましたから。有名なBISのCDを始めとするオルガン版の録音では、このAの音を演奏していないものがほとんどですし。
そんな明晰な音のオーケストラに乗って、合唱も特に女声はとてもピュアな声を聴かせてくれます。合唱のクレジットは、オーケストラ付属の合唱団のほかに「National Youth Choir of Wales」という団体がクレジットされていますが、この「若い」合唱団の声が、全体の音色にいい影響を与えているのでしょう。それに比べると、ベースのパートがちょっと弱く感じられます。ソリストは、ライブのせいでしょうか、少し不安定なのが惜しまれます。

CD Artwork © BBC
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by jurassic_oyaji | 2015-07-04 20:50 | 合唱 | Comments(0)