おやぢの部屋2
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MAHLER/Symphony No.4
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Lisa Larsson(Sop)
Antonello Manacorda/
Het Gerders Orkest(Arnhem Philharmonic Orchestra)
CHALLENGE/CC72659(hybrid SACD)




マーラーの「4番」の最新SACDですが、お目当てはソリストのリサ・ラーションです。ジャケットで共演のオーケストラの名前を見ると、オランダっぽい名前ですが(英語だとたぶんThe
Gerders Orchestra、「ヘルダー交響楽団」でしょうか)
、全然聞いたことがありません。しかし、ブックレットの紹介文を見ると、これとは別の「アーネム・フィルハーモニー管弦楽団」という名前がありました。これならなんとなく聞いたことがあります。確か、小林研一郎などの指揮で、国内のレーベルに多くの録音を行っているオーケストラですね。オランダのヘルダーラント州の州都アーネムに、それこそアムステルダムのコンセルトヘボウ管弦楽団とほぼ同じ時期に設立された、由緒正しい団体だったのでした。
ただ、やはりブックレットでは「85人の音楽家が集まって」と言っていますが、これはちょっとプロのオーケストラとしては少なめ。さっきのコンセルトヘボウ管弦楽団あたりは、116人のメンバーが公式サイトには載っていますし、日本でも東京にあるメジャー・オーケストラではまず100人以上の団員を抱えているはずです。地方のオーケストラ、例えば仙台フィルでさえも団員数は80人ですからね。
そんなオーケストラが録音しているセッションの写真がブックレットにありますが、その配置がちょっと変わっています。基本的に対向配置で下手にファースト、上手にセカンド・ヴァイオリンがいて、ファーストの後ろにチェロ、セカンドの後ろにヴィオラがいるのですが、普通はチェロの後ろにいるはずのコントラバスが、セカンドの後ろ、つまりチェロとは反対側にセットされているのですね。オーケストラの公式サイトにある写真では、ごく普通の(対向型ではない)配置でしたから、これはこの曲を演奏するにあたっての指揮者のこだわりだったのでしょうか。確かに、同じ低音でも、マーラーではコントラバスとチェロでは異なる役割を与えていたりしますから、その辺を強調したかったのでしょう。
指揮者は、2011年からこのオーケストラの首席指揮者のポストにある、アントネッロ・マナコルダという人です。大蛇みたいで怖いですね(それは「アナコンダ」)。すでにオペラの指揮まで手掛けているというキャリアの持ち主ですが、元々はヴァイオリニストで、マーラー・チェンバー・オーケストラの創設時のメンバーで、コンサートマスターを8年間務めていたのだそうです。確かに、マーラーに関してはエキスパートなのでしょう。
このレーベルのSACDでは、まず音の面で裏切られたことがありませんが、これも素晴らしい録音でした。録音会場がいかにも音のよさそうな天井の高いシューボックスタイプの建物ですから、適度に楽器の音が混ざり合う中に、必要なソロはきっちり、たっぷりの残響を伴って聴こえてくる、という、とても瑞々しい仕上がりです。さっきのコントラバスの配置も、確かに特別な意味を持っているように聴こえてきます。
演奏は、弦楽器をとことん歌わせる気持ちの良いものでした。特に長大な第3楽章が、とても先の見通しがよく分かる音楽の作り方で、常に緊張感を持って聴くことが出来るものでした。
ところが、最後の楽章にラーションが登場すると、それまで整然としていたものが急に居場所を失ったような不思議な感覚がよぎります。それは、ラーションのちょっとしたアブノーマルな歌い方のせい。このソロを、あくまでプライベートなものと捕えているような、ちょっと聴きなれないアプローチなので、最初は戸惑いますが、オケの間奏のあとで再度登場する頃にはそれが受け入れられるようになってきます。
カップリングの「子供の不思議な角笛」からの3曲も、そんなアプローチ、こちらは手の内が分かっていたので、楽しめました。
それにしても、ブックレットの写真の老けようと言ったら、ジャケット写真と比べると愕然とします。まだ40代だというのに。

SACD Artwork © Challenge Records Int.
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by jurassic_oyaji | 2015-07-08 21:40 | オーケストラ | Comments(2)
Commented by Hippo at 2015-07-09 17:10 x
こんにちは。

>ブックレットでは「85人の音楽家が集まって」と言っていますが、これはちょっとプロのオーケストラとしては少なめ。

>日本でも東京にあるメジャー・オーケストラではまず100人以上の団員を抱えているはずです。

日本で100人以上の団員を抱えてるのは(2013年の団員数)、東京フィルハーモニー交響楽団とNHK交響楽団の2団体だけです。
85人以上だと、新日本フィルハーモニー交響楽団・東京交響楽団・東京都交響楽団・読売日本交響楽団・京都市交響楽団と5団体追加。

東京以外だと京都だけですね。

日本オーケストラ連盟の正会員オーケストラ25団体の平均70人。85人と言うのは日本だと大規模な部類ですね。
Commented by jurassic_oyaji at 2015-07-09 19:43
Hippoさま、コメントありがとうございます。
ご指摘のように、在京オケでも意外と団員は少ないのですね。