おやぢの部屋2
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MOZART/Requiem



Nicholas Kraemer/
Clare College Choir, Cambridge
オーケストラ・アンサンブル金沢
ワーナーミュージック・ジャパン/
WPCS-11864


オーケストラ・アンサンブル金沢(OEKと略すのですね)がワーナーから出している自主制作盤、以前は1枚1000円(税抜き)で販売されていたのですが、いつの間にか1500円(税込み)になってしまったようですね。それでもまだ他の国内盤に比べたら低く抑えられた価格設定ではあるのですが、ちょっと残念です。
このCDのジャケットには、ライブ録音が行われた石川県立音楽堂の写真が載っています(金沢って、カナザワ県ではなく、石川県だったのですね)。一見ちょっと小振りの中ホールのようですが、実は客席数1560という堂々たる大ホール、音の良いシューボックス構造、ステージ後方にはパイプオルガンも設置されているという、全ての条件を備えた「コンサートホール」です。最近では、地方都市でもちょっと大きなところでは必ずこのようなちゃんとしたコンサートホールが建てられるようになったというのは、喜ばしい限りです。県庁所在地で、しかも政令指定都市であれば、もちろんコンサートホールがないなどということは考えられませんね(信じられないかもしれませんが、仙台市という、国際コンクールさえ開催しているという大都市には、そのようなちゃんとしたコンサートホールが存在しないのですから、笑えますね)。
今回、イギリスの指揮者ニコラス・クレーマーを客演に迎えてモーツァルトの「レクイエム」を演奏したコンサートでは、合唱団とソリストもイギリスから招いています。その合唱団というのが、ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団、つい最近NAXOS盤でステイナーの録音を聴いたばかり、もちろん、合唱指揮はティモシー・ブラウンですから、これはひと味違った仕上がりが期待できます。そんな期待通り、これは、とても軽やかで風通しの良い「レクイエム」でした。オーケストラが指揮者のセンスにピッタリ寄り添って、決して重たくならない運びになっているのが、とても爽やかな印象を与えてくれます。そのような爽やかな風景の中で、このオーケストラの「顔」とも言うべきティンパニのオケーリーが、信じられないほど的確なビートを打ち込む様は、殆どショッキングな様相すら呈しています。その粒立ちの良い乾いた音によって、今まで聴いたことのないようなリズムが聞こえてきて、思わずスコアを見て確認する場面も。「Tuba mirum」のトロンボーンソロも完璧。ライブ録音だというのに、殆ど傷らしいものが感じられない全体の演奏は、「商品」としてのCDにはありがたいことです。
ソリストたちは、合唱とワンセットと言うことで、合唱団のメンバーとしても表記されている人たちです。ただ、この録音のほんの一月前に録音された先ほどのステイナーのライナーには名前がありませんでしたから、一応別格のソリストではあるのでしょう。それほど自己主張のない、アンサンブル重視の歌い方が、この曲によく合致しているのは言うまでもありません。
ライナーにある演奏中の写真では、合唱が左からソプラノ、テナー、バス、アルトという、面白い並び方をしているのが分かります。キリエ・フーガのような各パートが強調される場面ではなかなか効果的な並びではあるのですが、ホモフォニーではちょっと女声同士がバラバラに聞こえてしまいます。というのも、この録音でのソプラノパートのコンディションが最悪で、他のパートと音色といいフレーズ感といい、全く別物の浮き上がりかたを見せているからです。全体としてはかなり高いレベルの演奏ではあるのですが、この合唱団、本当はもっとしっとり歌えるはずなのに、と思ってしまう場面が多かったのも、ちょっと残念です。
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by jurassic_oyaji | 2005-08-08 20:19 | 合唱 | Comments(0)