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Madrigal History Tour
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The King's Singers
ARTHAUS/109123(DVD)



キングズ・シンガーズというイギリスの6人組のコーラスグループは、1968年にメジャー・デビューをしていますから、もうほとんど「半世紀」の歴史を誇っていることになります。その中で、2CT,Ten,2Bar,Basという6人編成は変えずに適宜メンバーを入れ替えてそのサウンドを受け継いでいます。
このDVDは、1984年に彼らが出演してBBCで制作された「マドリガル・ヒストリー・ツアー」という番組をすべて集めたものです。この時期になると、すでにオリジナル・メンバーが3人いなくなっています。1978年にはテナーがアラステア・トンプソンからビル・アイヴスに、1980年にはカウンターテナーの、ナイジェル・ペリンがジェレミー・ジャックマンに、そして1982年にはバスのブライアン・ケイがコリン・メイソンに替わっています。このブライアン・ケイという人は、よく似た名前のブライアン・メイほどは頭髪がなく、何か人懐っこくてムードメーカー的な存在だったので、彼が脱退した時には一つの時代が終わったことを感じたものでした。しかし、ベースは少し存在感が薄くなったものの、少し前に加入したテナーのビル・アイヴスの伸びやかな声のおかげで、このグループは一つの黄金期を迎えることになりました。
彼らはデビュー当時から「マドリガル」を重要なレパートリーとしており、コンサートでは必ずマドリガルのコーナーがあって、楽しませてくれていました。そんな彼らをホストにして、マドリガルが生まれた土地を巡って、実際にそれらが歌われたであろう歴史的な建造物の中で彼らに歌ってもらう、という番組は、まさにうってつけの企画だったに違いありません。この一連の1本30分ほどのシリーズでは、フランス、ドイツ、スペイン、イギリス、イタリアという順に、そんな「キングズ・シンガーズ in ○○」が展開されることになります。それぞれの番組ではメンバーがMCを担当しているのも一興、彼らのとてもきれいなクイーンズ・イングリッシュも、番組に華を添えています(残念ながら日本語字幕はありません)。5つの国にそれぞれ1人ずつのメンバーが付くと一人余るので、イギリスだけはジェレミー・ジャックマンとコリン・メイソンがダブルMCになっていますが、それはこの時点での新加入メンバーとしての扱いなのでしょうね。
当然のことですが、彼らが古いお城の中や由緒あるビアホールなどで歌っている映像は、すべて「口パク」です。この番組の収録に先立って、1983年にスタジオで録音が行われ、それらの一部が番組の中で用いられるのと同時に、別の選曲で2枚組のLPもEMIから番組と同じタイトルでリリースされています。それを1枚のCDにしたものがこれです。ジャケ写は「イタリア編」での衣装ですね。

ところで、このタイトル、1967年に作られたザ・ビートルズの「Magical Mystery Tour」という曲のもののパロディであることに気づいた方はいらっしゃるでしょうか?彼らはもちろんビートルズの曲も録音していますし、何よりイギリス人がこよなくこのロック・バンドを敬愛していることが、こんなところからもうかがうことが出来ます。日本語だと「マドリガル」と「マジカル」では音節数が違うので「似てない」と思うかもしれませんが、この映像の中では「Madrigal」という単語はほとんど「マリガル」と聞こえますから、これはぴったりハマっているのですよ。
キングズ・シンガーズのバックではアンソニー・ルーリーと「コンソート・オブ・ミュージック」が時折「伴奏」をしていましたが、このDVDでは5本の「ツアー」の前に置かれた「A
Century of Music」という、シリーズ全体のイントロダクションとなる1時間番組の中では、コーラスとしての「コンソート・オブ・ミュージック」が登場しています。エマ・カークビーとかイヴリン・タブといった、当時の「カリスマ」が歌っている姿を見られるのが、実はこのDVDの最大の魅力でした。

DVD Artwork © Arthaus Musik GmbH
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by jurassic_oyaji | 2015-10-03 21:58 | 合唱 | Comments(0)